未成年者の家出を手助けすることは善意から出た行動のように思えるかもしれませんが、法的には誘拐罪として重大な犯罪行為に問われるリスクがあります。
この記事では、家出未成年者への支援がどのような状況で誘拐罪に該当するか、法律がどのように定めているかを解説し、意図しない違法行為を避けるための注意点を提供します。
安全に支援を行ないたい方は、この情報を参考に適切な対応を心がけましょう。
執筆/監修者:山内 和也2023年11月9日
探偵調査歴20年。国内外の潜入調査、信用に関する問題、迷惑行為、企業や個人生活での男女間のトラブルなど、多岐にわたる問題を解決してきました。豊富な経験と実績を基に、ウェブサイトの内容監修や執筆も行っています。
目次
1- 家出未成年者への手助けが法的問題になる可能性
家出未成年者への手助けが法的問題になる可能性は高く、慎重な対応が必要です。
法律上、未成年者の保護者の同意なく未成年者を保護する行為は「未成年者誘拐罪」にあたる可能性があります。
これは未成年者の意志に関わらず適用される場合が多く、保護者からの通報によって刑事罰の対象となることがあります。
未成年者が自発的に家出した場合でも、その保護や支援には法的なリスクが伴います。
未成年者を自宅に泊めたり、金銭的援助をしたりする行為も、場合によっては問題となり得ます。
そのため、家出未成年者に遭遇した場合は、まず警察や児童相談所に連絡し、専門の機関を通じた適切な対応を心がける必要があります。
これにより、未成年者の安全を確保しつつ、自身を法的なリスクから守ることが可能になります。
「未成年者誘拐罪」とは
「未成年者誘拐罪」という言葉を聞くと、しばしば誘惑や強制による連れ去りを想像するかもしれませんが、法律の定義はそれだけに限りません。
未成年者誘拐罪は、刑法第224条で規定されており、未成年者を連れ去る行為全般を指します。
この罪は、未成年者を保護者から引き離すことによって成立し、犯罪的な意図がなかったとしても、身代金の要求や性的悪用の目的がなくても適用される可能性があります。
法律では、未成年者を連れ去った者には、3ヶ月以上7年以下の懲役刑が科されることが規定されています。
未成年者の保護と安全が最優先されるため、このような行為には厳しい刑罰が課されるのです。
2- 未成年者略取罪と誘拐罪の違い
未成年者略取罪と誘拐罪の違いは、行為の対象となる人物の年齢と行為者の目的によって区分されます。
未成年者略取罪は、通常、親や法定の保護者の監護権を侵害する形で、未成年者を連れ去る行為を指します。
この犯罪は、保護者から未成年者を引き離すことによって成立します。
刑法上、未成年者略取罪は、具体的に保護者の監護から未成年者を取り去ることに焦点を当てています。
一方で、誘拐罪は年齢に関係なく適用される可能性があり、犯罪目的であるかどうかも含まれます。
誘拐は、被害者を欺くか力ずくで連れ去り、身代金の要求、性的搾取、労働の強制などの目的で行われることが多いです。
未成年者略取罪は、未成年者に特化している点が特徴で、誘拐罪はより広範な状況に適用される可能性があるという点で異なります。
日本の刑法では、どちらの罪も重罪とされており、未成年者を保護するための法的規制が厳しく設けられています。
「神待ち」や「泊め男」の危険性
未成年者が家出をする際、しばしば食事や宿を提供する見ず知らずの大人(通称「神待ち」や「泊め男」)に頼ることがあります。
これらの大人は、SNSや掲示板を通じて子どもたちと接触し、彼らを支援すると申し出ます。
しかし、このような出会いには深刻なリスクが伴います。
SNSでのハッシュタグ検索では、「家出」「泊めて」などといったキーワードで、助けを求める無数の投稿を見つけることができます。
これらの投稿は、「何でもするので面倒を見てほしい」という切実なメッセージを含むことが多いです。
しかし、家出少年少女を泊める見返りに性的な関係を期待する大人も少なくなく、このような関係はしばしば暗黙の了解とされています。
SNSを介したこのような出会いから性被害に遭うケースは年間2000件にも上ると推測されています。
さらに、仕事を提供すると偽って未成年者を悪条件の仕事に就かせたり、多額の借金を背負わせて自由を奪うといったケースも後を絶ちません。
家出少年少女は、こうした悪意ある大人の罠に陥りやすいため、親や保護者、そして社会全体が注意を払う必要があります。
3- 未成年が被害に遭った事件
未成年の家出から事件に発展した事例を記載します。
未成年の家出は事件に発展してしまうことも少なくない為、これから記載する事件が実際に起きたことを知り、事前に対策できることや未成年の家出の深刻さを改めて理解しましょう。
青森県警は昨年12月、県内に住む女子中学生(当時15)が未成年だと知りながら連れ出し、神奈川県内の自宅で寝泊まりさせたとして同県の男性を未成年者誘拐の疑いで逮捕した。その後、男性は同罪で懲役1年6ヵ月執行猶予4年の有罪判決を受けた。
判決などによると、男性は昨年8月ごろからツイッターで家出中や家出願望のある女性を探すようになった。家出したいとつぶやいていた被害者の少女とDMでやりとりし、同10月上旬、バイクで青森市へ向かい、合流。
少女を乗せて神奈川県平塚市の自宅へ向かった。男性が少女とともに過ごしたのは、少女が警察に保護されるまでの約2ヵ月間。
家出中だった別の女性も一緒に住んでいた時期もあった。判決では「被害者の家出願望に応えようとして実行されたものであるが、浅はかというほかない」とされた。
引用元:朝日新聞DIGITAL
三重県鈴鹿市に住む15才の少女を茨城県の自宅に連れ出したとして、派遣社員の男が5日、未成年者誘拐の疑いで逮捕されました。逮捕されたのは、茨城県土浦市の派遣社員・久保信一容疑者(27)です。
警察の調べによりますと、久保容疑者は1日から4日まで、鈴鹿市に住む15歳の少女を未成年者だと知りながら土浦市の自宅アパートへ連れ出した疑いが持たれています。
久保容疑者は、インターネットのライブ配信アプリを通じて少女と知り合ったということで、調べに対し容疑を認めています。
引用元:YAHOO!ニュース
ゲームアプリで知り合った中学生の女子生徒を約3ヵ月間自宅に住まわせたとして、茨城県警ひたちなか署は17日、未成年者誘拐の疑いで、東京都足立区、会社員、男(35)を逮捕した。
逮捕容疑は昨年11月中旬から今月17日までの間、家出した県央地域在住の女子生徒(14)を未成年者と知りながら誘い出し、自宅アパートで寝泊まりさせた疑い。
同署によると、男は「女の子を連れ出していない」と供述し、容疑を否認している。
引用元:YAHOO!ニュース
4- 未成年者が家出したときにとるべき対応策
家出した家族を探す際、家族ができることは以下の通りです。
- 情報の整理:家出直前の行動、交友関係、使用していたデバイス、SNSの活動など、関連情報を集めます。
- 警察への届出:速やかに警察に届け出ることで、公的な捜索が開始されます。
- 連絡網の活用:友人、親族、地域社会に情報を共有し、目撃情報などを求めます。
- 持続的な活動:情報が出るまで持続的にこれらの活動を続け、状況が変わった際には新たな行動をとります。
- SNSの活用:SNSを使って家出人の情報を拡散し、情報収集の範囲を広げます。
家出人が無事に戻ることを願いつつ、これらの活動を通じて、家族としてできることを積極的に行うことが大切です。
家出人探しでしてはいけないこと
- プライバシーの侵害:無関係な第三者のプライバシーを侵害するような行動は法律に反する可能性があります。
- 自己判断でのSNS情報公開:家出人のプライバシーを尊重し、家出人や家族に不利益をもたらす可能性のある情報を勝手にSNSに公開しないようにします。
- 違法な手段の利用:盗聴や不法侵入など違法な手段を用いて情報を得ることは法に反します。
家出人探しは感情的になりやすいですが、合法的かつ倫理的な方法を守り、専門家の指導に従うことが重要です。
5- 専門家に相談
探偵による家出人捜索は、それぞれのケースに合わせて柔軟に対応可能です。
家出の動機や提供された情報に基づき、経験豊富な探偵が過去の成功例を活かして捜索計画を立てます。
人員を多く投入することによって、家出人の発見率を高めることができます。
何よりも早期対応が、問題解決への鍵となるため、家出した方の情報を速やかに探偵に共有し、捜索を開始することが推奨されます。
まずは詳しい状況を探偵に相談し、迅速な行動を起こしましょう。
家出人探しにかかる費用と注意事項
ファミリー調査事務所では、家出人捜索を1時間8,300円から行うことができます。即日対応や24時間体制での捜索も可能です。
捜索の費用は、提供される情報の量や正確さ、捜索の困難度、必要な時間や人員、調査の範囲によって変わります。
そのため、正確な見積もりを提供するためには、具体的な情報が必要です。
もし料金についてご心配がある場合は、「安心コミコミプラン」をご検討ください。
これは基本料金にすべてが含まれたプランで、予期せぬ追加費用は発生しません。
予算についてお知らせいただければ、その範囲内で最適な捜索プランをご提案いたします。
家出人探し依頼の注意事項
探偵に家出人探しを依頼する時、注意しなければならないのは、不当な料金請求の問題です。
最近、調査後に予期せぬ高額な追加料金を要求されるケースが増えています。
特に、実際には必要のない調査員を増やして費用を膨らませるといった不誠実な行為には警戒が必要です。
調査依頼をする際には、契約内容に納得してから手続きを進めましょう。
もし不安や疑問がある場合は、契約を見直すか、他の探偵社の意見も聞いて比較検討することが賢明です。
6- まとめ
未成年者の家出は、事件や事故に遭遇するリスクが非常に高く、迅速な行動が求められます。
家に帰りたくても帰れない子どもたちもいますので、安全な帰宅先を提供することが大切です。
当事務所では、家出人探しの専門家が無料で相談に乗り、問題解決のアドバイスや調査プロセスについて詳しく説明します。
未成年者の家出に関するご相談は、いつでもお問合せフォームや電話、メール、LINEで受け付けています。
特に緊急を要する場合は、フリーダイヤルがご利用いただけます。当事務所の専門スタッフが迅速に対応いたします。
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