海外進出や投資など、「海外ビジネス」にはさまざまなメリットがあります。
しかし、言葉や文化の異なる国でビジネスを行なうのは容易ではありません。
「リスクマネジメント」とは、想定されるリスクを未然に防ぐためのプロセスです。
国内と海外でのビジネスにおけるリスクマネジメントは、基本的に同じリスクマネジメント方法です。
しかし、世界情勢は急速に変化しているため、国内と海外では想定されるリスクの「種類」と「優先度」は異なります。
リスクマネジメントは「儲け」を生むものではないので軽視されがちですが、事前の情報(調査)不足から海外事業に失敗して「撤退」している企業も。
海外進出や投資をご検討中の方は、海外リスクマネジメント調査をご参考になさってください。ご相談は随時お受けしています。
執筆/監修者:山内 和也
2023年7月20日 更新
目次
リスクマネジメントのご紹介
現在、多くの日本企業が積極的に海外進出を行なっています。
日本企業による海外の企業買収や工場建設等の投資額を積み上げた「対外直接投資残高」は、ここ20年で5倍以上に。
また、日本企業による海外M&Aも、グローバルな競争激化等を背景に件数・金額ともに増加傾向で、日本企業の「海外進出」が急速に進んでいます。
この動きは、世界に名を知られた大企業のみならず、中小企業も含まれています。
しかしながら、国内とは異なるリスクに直面し、海外拠点からの撤退を余儀なくされるケースもあります。
リスクマネジメントが必要な理由
アジア諸国には、経済面で急成長を遂げている国が多く、そのような国々への事業進出には魅力があり、ビジネスチャンスをつかめば大きな成功を得られます。
ところが、目の前の利益ばかり求めリスクマネジメントを精査することなく、長期的ビジョンも持たぬまま海外進出し、結果的に撤退を余儀なくされた(あるいは、撤退を検討し始めた)企業は4割にも上るというデータもあります。
想定されるリスクマーネジメントとは
海外進出、あるいは海外企業との提携で発生しやすいリスクは、主に次の3つの項目に分けられます。
- カントリーリスク
- オペレーショナルリスク
- セキュリティ(人的・物的セキュリティやサーバーセキュリティ)リスク
リスクマネジメントとは
カントリーリスク
「カントリーリスク」とは、進出先・提携先の国や地域の情勢が変化することによって企業が受けるリスクです。
カントリーリスクは大きく分けて、4つの「要因」に分類されます。
また、国固有のリスクも。政治や治安が不安定な途上国ほどリスクは高まります。
1.政治リスク
2.経済リスク
3.社会リスク
4.自然リスク
全てのリスクを把握し対応するのは極めて難しいと思いますが、日々刻々と変化するリスクへの対処を怠らないことが、成功への近道と言えます。
オペレーショナルリスク
「オペレーショナルリスク」は、実際の事業展開や日常的な業務遂行など、実際の運営上で発生するリスクです。
「輸出入、投資、ライセンス契約、業務提携、調達・製造、営業・販売、宣伝・広告、経理・財務・税務、労務」など、あらゆる場面で起こり得るリスクです。
その他にも、「代金の未回収、知的財産権の侵害、人材不足、資金上昇による採用悪化、労働争議によるストライキ・デモ」といった「労務的リスク」を負う可能性も。
企業のオペレーションに関するリスクは数多く存在しています。なかには、企業イメージに悪い影響を及ぼすケースも。
オペレーショナルリスクが起きる大きな要因としては、日本においては常識だった「商習慣」が、海外では「通用しない」ことから起因することがほとんどです。
海外の風土やトレンド、進出した国の国民性などを理解することが必須となります。
セキュリティリスク
「セキュリティリスク(人的・物的セキュリティ)」は、企業や従業員の安全面に関するリスクを指します。
「テロ、新興感染症、情報セキュリティ、自然災害」など、突発的に発生する可能性が高いことについて考慮しておく必要があります。
人的・物的セキュリティへの対応は、現地の治安情報の確認や保険への加入は必須です。
また、サイバーセキュリティについても、サイバー攻撃やマルウェアによる情報漏えいに備え、情報セキュリティにおける事故に備えておくべきです。
近年、従業員など「内部犯行」によるセキュリティ事故の発生件数が増加する傾向にあります。
「リスクマネジメント」の重要性について
事前に海外進出や提携の目的を明確にしたうえで、しっかりと計画をまとめ上げておくことで、そのリスクを整理することができます。
初めて海外進出する企業や、海外での事業展開のノウハウが未熟な企業の場合、リスクマネジメントを理解するために、事前の十分なリサーチは重要となります。
海外事業(進出)が失敗したときの損失が大きい
リスクに対して適切な対策を取らないと、海外事業から撤退しなければならない可能性が高くなります。
「海外事業の失敗=海外からの事業撤退」です。海外進出には、現地法人の設立や現地社員の雇用など、さまざまな費用がかかります。
海外からの事業撤退をすれば、これらの経費が損失へ変わります。また、日本国内の事業継続に影響が出る可能性も。
また、あらかじめ想定されるリスクを洗い出し、対応策を講じて「いる」と「いない」では、危機に直面したときの対応(柔軟さやスピード等)が異なります。
リスクに直面したときに、適切に対応するためには「リスクマネジメント」は重要な項目と言えるでしょう。
リスクマネジメント調査料金
当事務所の海外リスクマネジメント調査は、世界30ヵ国以上の調査に対応しています。
現地調査員が在籍している国や地域は、国内とさほど変わらない料金で依頼が可能となります。
※コロナの影響で現地調査員が帰国している国や地域があります。現地調査員が在籍または帰国している国や地域の調査は、交通費や宿泊費等が別途かかります。
過去の事例から、海外リスクマネジメント調査の料金相場は150,000~1,500,000円前後だとお考えください。
海外リスクマネジメント調査の依頼料金の取り決めは、下記に応じて費用が算出されるので「案件」ごとに金額が異なります。
各調査項目の料金プランは下記のリンクへ。海外リスクマネジメント調査の正式な金額は、見積をお問い合わせください。
※為替レートの状況により金額は変動いたします。
- 調査員の人数
- 調べたい項目の種類
- 事前の情報量・信憑性
- 調査期間(日数、時間数)
- 取得する情報や証拠の種類
- リスクマネジメント調査の難易度
リスクマネジメント調査のQ&A
Q.海外進出を行った企業のなかには、海外事業に失敗し撤退している企業もあるかと思います。
高度成長を続ける東南アジアへ事業進出したいがどのようなリスクマネジメントが必要なのか、当地の商慣行や経営環境、リスク情報など調査してもらいたい。
A.海外進出の際には、そのリスクをあらかじめ把握しておくことにより、現地拠点や現地従業員が直面する可能性にある問題を予測し、対応をシミュレーションすることをおろそかにはできません。
事前に海外進出の目的を明確にし、併せてリスクを整理するなど、事前の十分なリサーチは重要となります。
弊社では、そのようなリスク要因を調査すべく、現地調査員と連携して調査対象国の商習慣などを調査対象とするだけではなく、対象国の国民性も詳細に調査し、リスクを評価する指標となる報告書を作成いたします。
Q.フィリピンの愛人から、飲食店を経営するのに1000万円投資して欲しいと言われました。
彼女のことは信用していますが、金額が大きいので躊躇しています。
実際にその場所の空き状況や賃貸物件などの情報を内密に調べることはできますか。
A.フィリピンに愛人がいる日本人を現地ではよく見る光景です。
そして「飲食店経営」「妊娠」「不動産投資」「災害」は、愛人が信用できても事前に調べておくことを強くすすめます。
不動産投資や飲食店経営は、愛人が第三者に騙されていることもあります。
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リスクマネジメント調査の相談・依頼の流れ
全てのリスクをゼロにすることは限りなく不可能に近いですが、把握(事前調査)・予防(回避)・準備(被害を最小化)することで、回避できるリスクがあります。
海外進出した日本企業を対象とした「リスクマネジメント動向調査」によると、海外でのリスクマネジメントのために実施する項目があります。
1.定期的に行う海外拠点のリスクの洗い出し
2.情報の共有
加えて、問題として感じているのが「現地従業員に対するリスクマネジメントの教育や認識不足」となっています。
まず取り組むべきは、現地調査員と連携し調査対象の国の「法務・政治体制・商習慣」などを調査対象とします。
さらに、対象国の国民性(労働に対する考え方や賃金相場・コンプライアンス・労働組合の有無や関係性など)も詳細に調査し、リスクを評価する指標となる報告書を作成いたします。
少しでも迷っているならご相談ください
事務所にお越しになることができない方の為に、リスクマネジメント調査の専門家が無料にて「ご指定の場所」へ伺います。「30ヵ国以上の海外調査・サポート」が可能です。
調査のご相談や見積等、無料でお受けしています。お問い合わせフォーム・電話・メール・ラインにて、24時間365日対応しています。
ご契約するまで費用が発生することはありませんのでご安心ください。