探偵の聞き込みは、多くの場合、聞き込みとわからないようにカモフラージュした方法で行なわれます。
調査対象者に、調査されていることを気づかせないように調査をする、というものになりますがどのようにしてばれずに調べられるのでしょうか?
執筆者:波多野 里奈2023年11月6日
教育学をはじめ臨床心理学、行動心理学を学び、人が抱える悩みや問題に寄り添いサポートすることを得意とする。結婚や離婚に関する問題、素行調査に関する相談解決実績多数。英語の語学力を生かし海外探偵調査の相談窓口を担当。
目次
聞き込み調査が必要な場面とは?
聞き込み調査は、さまざまな状況で有用です。以下はそのような場面の例です。
- 民事事件: 裁判や訴訟に関連し、特定の証拠や情報を得る必要がある場合。
- ビジネス: 競合他社の動向や不正行為についての情報を調査する必要がある場合。
- 背景調査: 人物の過去や経歴、信憑性の確認が必要な場合。
- 行方不明: 失踪者や行方不明者の捜索が必要な場合。
- 人権侵害: 職場でのいじめやパワーハラスメントなど、人権侵害の証拠を探す必要がある場合。
- 不審な行動: 隣人や近隣での不審な行動や嫌がらせに関する情報を収集する必要がある場合。
- 不動産調査:不動産購入において隣接地の状況や地域の特性を理解し、周辺環境の影響を把握したい場合。
- その他: 調査が必要な個別のケースや様々な事情に関連して、特定の情報を収集する必要がある場合。
聞き込み調査とは
聞き込み調査は、特定の事柄や情報に関する周囲の人々や関係者から情報を収集するプロセスです。
口頭での質問や会話を通じて、特定の目的のために情報を得ることを指します。
主に調査対象者の生活環境や行動パターン、他人の見解や知識、特定の出来事に関する証言などを取得する際に使用されます。
警察と探偵のちがい
総じて、探偵は私的な問題や民事訴訟に関連した情報収集や調査を行い、警察は法執行機関として犯罪の捜査や法の執行を担当しています。
警察
法の執行を通じて、犯罪の捜査・予防、社会の安全確保、および一般市民の保護が主な目的です。
警察は法的な権限を持ち、刑事事件の捜査、犯罪の防止、法的措置の執行を担当します。
探偵
主に個人や組織の依頼に基づき、特定の情報を収集し、特定の課題や問題の解決を支援することを目的とします。
探偵は民間の専門家であり、離婚証拠の提供、企業の不正行為の調査、失踪者の捜索など、特定の調査に関連して働きます。
注意すべき法的規制
「探偵」といえど、被害実態の証拠入手のため警察のような捜査権限はありません。
また、調査における以下のようなことを行なうことは禁止されています。
- 加害者の身柄を抑えたり逮捕すること
- 他人の所有地や住宅に勝手に侵入すること
- ストーカーの加害行為に加担するような居場所調査
- 法律で裁いたりなど弁護士の代行をする
プライバシーの侵害・名誉毀損罪に注意
盗聴や聞き込みなどで得た非公開とされる情報を公開するとプライバシーの侵害に該当することがあります。
刑法上の刑事罰は存在しませんが、民事にて損害賠償請求をされることがあります。
また、その情報が事実であってもなくても関係なく「名誉毀損罪」に該当することもあります。
誹謗中傷についても同様の罪に該当する可能性があります。
聞き込み調査の手法
事前準備
浮気調査、素行調査など依頼を受ける際、調査対象者についての事前情報の提供は欠かせないものです。
情報の質や量は証拠を入手するまでの期間や調査費用などにも影響します。
また何よりも、決定的証拠を掴めるかどうかは事前情報や事前調査が重要になります。
基本
「聞き込み」対象は大きく分けて2つあります。
- 調査対象である本人に聞く
- 対象の周辺の人に聞く
手段は主に3つあります。
- 直接会って聞く
- 電話で聞く
- メールで聞く
探偵社の調査員はこれらの聞き込みの「種類」や「方法」をうまく組み合わせて駆使し、証拠をそろえていきます。
個人情報保護のため措置の特例に関する指針を遵守しつつ、ポイントである調査は手を抜かないのが本来の探偵社の業務です。
聞き込みの注意点は最近はプライバシーに対しての意識が非常に高まっていますので、上手に聞き込みをしなければ相手は本当の情報をくれません。
応用
肩書や目的の設定に関しては、どれが正解かは決まっていません。
臨機応変に対応することが基本です。ちょっとした聞き込みのコツをご紹介します。
- 最初から質問を並べすぎない。(聞かれた人物は警戒する)
- 問題がないかどうかだけ回答させるような誘導をする。
- わざと褒めると、聞かれた人が反動で話しやすくなる。(そのまま真相を聞き出す)
- 直接質問をなるべく避ける。
- 押したら引いて世間話をする。
- 世間話のあとは、再び真相を引き出す。
聞き込み調査の事例
音信不通の人探し
音信不通の相手の消息を聞き込みで探す場合、以下の情報が重要です。
- 氏名
- 前住所
- 職業
- 勤務先
その情報の鮮度も成功率に関係します。
若い世代の人は、賃貸物件等に居住している可能性が高く、一か所にとどまらないなどの特長もありますので聞き込みの難易度が高くなったりします。
その場合は、管理会社をたどっていくとわかることがあります。
中年以上の人物であれば、社会的地位も確率し、特徴がわかりやすいという点も多いので、聞き込みがしやすくなります。
ただし、情報が常に更新されることもあるので、最新の情報かどうかを見極めなければいけません。
聞き込みの失敗事例
最悪なケースは、自らが聞き込み調査をしていることが調査対象者にバレてしまい、関係が崩壊してしまった上、得た情報が嘘であったり、当事者同士以外の第三者をも巻き込んだ場合、周囲からの信頼も失ってしまう結果を招いてしまうケースです。
自分、または知人や友人に、「金銭的に節約する」目的で、聞き込み調査を依頼したとしても、調査に失敗したり、得られた情報が嘘であれば本末転倒です。
素人では、裏付けができないため得られた情報の真贋を見極めることは、ほぼ不可能といえます。
話の流れの中で押したり、引いたり、誘導質問や、かまかけをしながら、じわじわと情報を引き出し、まとめていくのが聞きこみのテクニックであると考えています。
専門家はさまざまな手段やツールを使って、解決への道筋を作っていきます。メールや電話の無料相談、いつでもお待ちしています。