「素行調査は違法なのか?」
実は、この問題には一概に答えることができないのが現実です。
- 社員が不正行為や不良な素行をしているのではないか?
- 採用候補者が虚偽の履歴書を提出しているのではないか?
法律の範囲内で適切に行なわれる素行調査は違法ではないのです。
しかし、人のプライバシーを侵害する方法で行なわれた場合、違法となる可能性も。
さらに混迷を極めるのが、素行調査を自分で行なうべきか、それとも探偵に依頼するべきかという問題。
記事の内容を理解いただくと、以下の内容を期待できます。
- 関係を改善
- 不良社員解雇できる
- 訴えたることができる
- 自分の判断や行動に自信が持てる
本記事では、これらの問題を詳しく解説。
あなたが素行調査について最善の選択をするためのガイドとなることを目指します。
- 費用や期間
- 素行調査の違法性
- 契約や個人情報保護などの問題
執筆/監修者:山内 和也2023年8月6日
探偵調査歴20年。国内外の潜入調査、信用に関する問題、迷惑行為、企業や個人生活での男女間のトラブルなど、多岐にわたる問題を解決してきました。豊富な経験と実績を基に、ウェブサイトの内容監修や執筆も行っています。
目次
1- 素行調査は違法なのか?
素行調査自体は法律で禁止されていません。
ただし、行動の観察や情報収集を行なう際には、以下の観点から法律を守る必要があります。
- プライバシー
- 個人情報保護
- 部外者が無断で個人のプライバシーに踏み込む行為
- いかなる手段を用いてでも情報を得ようとする行為
素行調査自体は違法ではないが、調査方法や結果の取扱いには法律や倫理に則った配慮が求められます。
次から具体的に解説いたします。
素行調査は違法ではないが注意が必要
素行調査を行なう際には法律と倫理に則って行なわれるべき。
守られない場合は違法行為となる可能性も。
法律と倫理に反する方法で素行調査を行なうと、個人のプライバシー権や人格権を侵害してしまいます。
結果、損害賠償請求の対象となる可能性有り
また、違法な方法で得た情報は証拠として認められない可能性が高い。
たとえば、以下の行為はプライバシー権を侵害し違法となります。
- 無断で家に侵入して調査
- 盗聴器を設置する
素行調査は、法律と倫理に基づいて行なわれるべきです。
違法リスクもあるので、探偵へ依頼することも視野に入れていただければと思います。
そもそも探偵に依頼した際のメリットはあるのか?
ここからはメリットについて深堀していきます。
素行調査を探偵に依頼するメリット
- 法的な保証
- 合法な調査手段
- 効率的な情報収集
合法な手段での調査、情報収集の効率化、法令遵守という観点の調査が期待できます。
さらに詳しく:
具体的なメリットを解説
また、証拠を適切に取り扱い、必要な場合には法的な手続きをサポートすることも可能です。
デメリットにも注意が必要。
たとえば、あなた自身で調査を行なう場合。
- プライバシーの侵害
- ストーキングになる可能性
探偵に依頼することで合法な手段で調査を行ない、証拠を集めることが可能。
探偵に素行調査を依頼することは、合法性、効率性、法的なサポートなどの観点から多くのメリットがあります。
パートナーの素行調査の他に、採用を検討している段階の素行調査もあります。
次は採用の素行調査は違法にあたるのかを解説。
2- 採用における素行・身辺調査は違法ではない?
採用における素行調査自体は違法ではありません。
しかし、個人情報の取り扱いについては個人情報保護法等の法律を遵守する必要があります。
採用時の素行調査にも注意が必要。
以下のことをご確認いただきたい。
調査に使用する情報は、求職者のプライバシーに関わるため、個人情報保護法や労働基準法等の法律に基づく適切な管理が必須
企業が自社の採用においてSNSなどの公開情報を調査するケースがあります。
上記の場合でも、求職者のプライバシーを尊重し、その情報を適切に管理する責任があります。
しかし、個人情報の取り扱いについては法律の遵守が必須。
次は個人情報について具体的に解説いたします。
個人情報保護法について
個人情報の取り扱いは、個人情報保護法やプライバシーポリシーなどに基づいて厳格に管理するべきです。
採用プロセスにおける素行調査でも、求職者の個人情報が扱われる
個人情報保護法により、以下の項目の適切な管理と同意が求められます。
- 個人情報の取得
- 個人情報の利用
- 個人情報の提供
企業がSNSで公開されている求職者の情報を採用の判断材料とする場合は以下を参照。
繰り返しになりますが、情報の取り扱いについては法律に従う必要があります。
従うのと同時に適切な保管と使用が必須。
次からはプライバシー情報についてもふれていきます。
プライバシー情報について
プライバシー情報の取り扱いも、個人情報保護法やその他の関連法律に従い適切に管理されるべきです。
取り扱いによっては個人の生活や人格を侵害する可能性がでてきます。
そのため、取り扱いには特に注意が必要。
注意を怠ってしまった場合、法的な問題に発展する可能性があります。
たとえば、求職者情報の以下の使用や管理に関する法律を遵守する必要があります。
- 過去
- 病歴
- 宗教
個人を特定するための情報を採用選考の過程で取り扱う場合は注意しましょう。
プライバシー情報の取り扱いは法律に従い、適切に管理されるべきです。
3- 素行調査が違法になるケース
素行調査が違法になる主なケースとしては、調査方法と情報の取り扱い方があげられます。
たとえば、以下のケースは違法行為となります。
- 調査方法が盗聴
- 調査方法がストーキング
- 不適切な盗聴装置を設置する
- 無断で人のプライバシーに侵入
- 得た情報を適切に管理せずに漏洩させる
得た情報が不適切に扱われ、漏洩や不適切な第三者への提供が行なわれた場合も違法行為となります。
それでは、違法となる具体的な調査方法からみていきましょう。
【問題1】違法な調査方法
無断でプライバシーへの侵入や盗聴など、違法な手段で情報を収集することは法律に反します。
調査で違法行為を行なうと結果的に調査全体が無効となる可能性があります。
また、違法な調査で得た情報は、証拠として認められない可能性が高いです。
- 対象者のプライバシーを無視して窓からカメラを向ける
- 無断で対象者のPCを操作する
法律に則った調査方法が必須。
【問題2】情報の取り扱い方
情報の取り扱い方にも法律が適用されます。
違法な取り扱いが行なわれた場合、罰則が科せられる可能性も。
個人情報保護法などにより、得た情報の保管、利用、提供などの取り扱いには適切な手段が求められます。
具体的に法律に違反する可能性は次にあげられます。
- 不適切に利用される
- 個人情報を不適切に販売
- 適切な管理が行なわれず、情報が第三者に漏洩
法律に従った情報の取り扱いが必要で、不適切な取り扱いは罰則の対象となります。
情報の管理と保護は、素行調査において非常に重要な要素。
4- 素行調査を探偵に依頼するべき理由
自身で素行調査を行なうデメリットを避け、合法かつ効率的な調査を行なうため
探偵は法律や倫理を遵守した調査を行なうことができます。
また、効率的に情報を集め、証拠を提供する能力もあります。
不倫調査を自身で行なおうとした場合、情感に流されやすく、プライバシー侵害につながる可能性も
しかし、プロの探偵に依頼すれば、合法かつ効率的に調査を行ない、必要な証拠を提供することが可能です。
素行調査を探偵に依頼するべき理由は、自身での調査に伴うデメリットを避け、合法かつ効率的な調査を行なうため。
次からはデメリットについてお伝えいたします。
自分で素行調査を行なうデメリット
次のことが欠けると、素行調査の大きなデメリットとなります。
- 時間
- 技術
- 法律に関する深い理解
素行調査は時間と専門知識を必要とします。
さらに、違法な行為を避け、調査結果が法的に有効であることを保証するためには、法律についての十分な理解が必須。
例えば、自分でパートナーの不倫の証拠を集めようとすると、感情的になりがちです。
結果、あなたが不適切な行動に走る可能性大
また、自己調査に多大な時間を費やすことで、日常生活や仕事に支障をきたす可能性も。
自身で素行調査を行なうデメリットとしては、時間、専門知識、法律の理解などがあげられます。
デメリットがあれば、メリットも存在します。
次からは依頼するメリット4つを順番に解説。
依頼するメリット1:効率的な情報収集
探偵に依頼することで、効率的かつ専門的な方法で情報を収集することができます。
探偵はプロフェッショナルとしての訓練を受けており、情報収集の技術と経験を持っています。
これにより、あなたの時間と労力を大幅に節約することが可能。
例えば、企業が新たな社員の素行調査を探偵に依頼した場合。
探偵は対象者に関する詳細な情報を効率的に集めることが可能
探偵に依頼することで、効率的かつ専門的な方法で情報収集が可能となります。
依頼するメリット2:法律や倫理の遵守
訓練を受けた探偵は法律や倫理を遵守した調査を行なうことができます。
探偵業界では法律や倫理に基づく行動が求められており、違反すると罰せられる可能性も
探偵はこれらのルールを理解しており、法律を遵守した調査を行ないます。
あわせて確認:
違法となる調査例 | 探偵業法6条
探偵は違法な盗聴や盗撮などの手段を使用せず、対象者の人権とプライバシーを尊重した調査を行なうことが可能
これにより、調査過程で違法行為に走るリスクを避けることができます。
依頼するメリット3:証拠の提供や連携
探偵は適切な証拠の提供や、必要に応じて弁護士との連携など、法的なサポートも提供することができます。
素行調査の結果は、法的な問題に結びつきます。
そのため、法的に有効な証拠の提供や、法的な手続きへのサポートが必要となることがあります。
たとえば、不倫の証拠を集める場合。
探偵は不倫行為の証拠を合法な方法で提供し、離婚訴訟に使用するための証拠を提供することができます。
探偵に依頼すると、法的に有効な証拠の収集や法的な手続きのサポートといったメリットを享受できます。
依頼するメリット4:透明性や信頼性の保証
探偵は調査過程と結果をクライアントと共有することで、透明性と信頼性を保証します。
探偵業は一般に監督機関によって規制されており、調査の透明性と結果の信頼性の担保が可能。
担保できる流れは以下になります。
上記の流れで、クライアントは調査の透明性と結果の信頼性を確認することができます。
依頼者は安心して調査を任せることができます。
5- 素行調査を探偵に依頼する際の注意点
探偵に素行調査を依頼する際には、いくつかの注意点があります。
- 料金の相談
- 期間の相談
- 契約内容の明記
- 個人情報の保護
特に注意いただきたい3点をお伝えいたします。
【注意点1】料金や期間の相談や見積もり
探偵に依頼する前に、料金や調査期間について明確な合意を得ることが重要です。
探偵業者によっては、料金体系や調査の期間が異なるため、不明確な点が残ると後で
トラブルの原因になる可能性があります。
あらかじめ調査の料金や期間、その他の費用(交通費や経費等)について明確にすることで、予想外の請求を回避することが可能。
探偵に依頼する際は、事前に料金や調査期間について詳しく話し合い、明確な見積もりを得ることが重要。
【注意点2】契約書の明記と違反時の措置
契約書には以下の調査の項目について合意が必要。
- 範囲
- 料金
- 期間
- 違反時の措置
- その他の重要事項
契約書に上記内容の記載があるか確認しましょう。
依頼者と探偵業者の誤解を防ぎ、必要に応じて法的な対応をとることができます。
契約書は、必要に応じて法的な対応をとるために重要
【注意点3】個人情報保護や秘密保持の配慮
探偵に依頼する際には、個人情報保護や秘密保持に配慮することが重要です。
素行調査は個人情報を扱います。
適切に管理され、不適切な利用や漏洩から保護されることが重要。
探偵業者に依頼する際には、個人情報の管理方法、秘密保持に関する方針などを明確にすることを推奨
個人情報の保護と秘密保持は、探偵に素行調査を依頼する際の 重要な注意点の一つです。
情報の不適切な利用や漏洩を防ぐために意識しましょう。
6- 弁護士や警察に相談・連携する方法や必要性
素行調査の結果や証拠について弁護士や警察との相談や連携はときには必要です。
ここからは、弁護士や警察に相談や連携することを仮定して、具体的にお伝えいたします。
弁護士や警察との相談の必要性
弁護士や警察との相談は以下の点において必要です。
- 素行調査を法律的な範囲内で行なう
- 不適切な行動を避ける
プライバシー侵害になる可能性のある行為を避けたり、適切な調査方法を確認したりすることができます。
素行調査を適切に行なうためには、法律の専門家である弁護士や警察との相談も視野にいれていただきたい。
弁護士や警察との連携の必要性
弁護士や警察との連携は、素行調査の結果を公正に証明し、必要に応じて法的手段を講じるために重要。
調査結果が法的に有効になるためには、公正な証明が必要です。
実現するためには、弁護士や警察との連携が重要。
具体的な連携内容は以下になります。
探偵が収集した証拠を法廷で使用する
証拠を捜査に利用したりする
素行調査の結果を公正に証明し、必要に応じて法的手段を講じるためには、弁護士や警察との連携もおすすめします。
弁護士や警察との連携・相談方法
連携・相談は、専門的な助言を得るためと適切な法的手段を講じるために重要です。
弁護士や警察との連携や相談を行なう方法は主に以下の3つです。
- 直接連絡を取る
- 法律相談所を利用する
- 探偵との契約時にサポートを要請
素行調査の方法や結果の法的な扱いについて専門的な助言を得ることが可能
違法行為の有無や法的な対処方法について情報を得ることが可能
探偵との契約時には、弁護士との連携や法的なサポートを要請することも一般的です。
合法に調査を行ない、結果を公正に証明するためには、専門家との協力が必要です。
また、弁護士や警察との連携・相談方法を理解し、適切に活用することで、素行調査をより効果的に進めることが可能。
7- まとめ
素行調査は違法ではないが、その方法や情報の取り扱い方によっては違法となる可能性があります。
探偵に素行調査を依頼するメリットは次の4つです。
- 専門的な情報収集
- 法律や倫理の遵守
- 証拠の提供や連携
- 透明性や信頼性の担保
一方で、料金や期間の相談、契約書の明記、個人情報保護や秘密保持など、探偵に依頼する際の注意点もあります。
探偵を利用する際には以上の点を考慮し、自分の目的と状況に合った探偵業者を選ぶことをおすすめします。
同時に探偵に依頼する際には以下の点にご注意ください。
- 契約書の明確さ
- 料金や期間の確認
- 個人情報保護や秘密保持の配慮
探偵を利用する際には、これらの要点を念頭に置き、自分の目的と状況に最適な探偵業者を選びましょう。
あなた自身の状況やニーズに照らし合わせて、最善の選択を行なうように心がけていただければと思います。