近年、悪臭による苦情件数が増加傾向にあることはご存じでしょうか?
特にコロナ禍で在宅時間が増えたこともあり、悪臭が気になるようになったというご相談も多く聞くようになりました。
悪臭には受忍限度というものがあり、臭気測定で検出した数値で一定の範囲内は悪臭とは認められないこととなっています。
どこからが悪臭になるのか、また許容できない悪臭についてどう対処すればいいのかについて解説していきます。
執筆者:藤井2023年10月27日
信用問題&迷惑行為調査歴5年以上。特に嫌がらせ行為の対策には知見があり、ストーカー・盗聴盗撮対策を専門としている。根気強い調査には依頼者からも信頼の声が多数寄せられている。
目次
悪臭環境に困っている!パターンは?
悪臭の受忍限度って何?
近隣の住居からだけでなく、ビルや工場などの事業所から入ってくるニオイは気になるものです。
受忍限度・受容限度とは何で、人の嗅覚による悪臭の規制とは何によってどのように決められるのでしょうか?
まず市役所などの公害苦情相談担当部署の基準を確認すると、法律や条例の規制に違反していれば相手方に是正の指導をしてもらえます。
悪臭・ニオイが我慢できなくても受忍限度を超えていない場合、なかなか具体的な解決方法には結びつかないこともあります。
例えばほのかに香るものであっても油のにおいなどが常に充満していれば気分が悪くなったり、換気のために窓が開けられなかったりするでしょう。
しかし、条例の悪臭の範囲にひっかからないと何の解決手段もとれず、苦痛の日々が続くことになります。
規制範囲内でも解決が可能
規制に違反していない場合には、担当者はそれを理由に「何もできない」と言うかもしれませんが、その場合でも方法がないわけではありません。
どのような臭いでもその方にとっては大変苦痛なものですので、お悩みの場合はぜひ当探偵事務所にご相談ください。
現状についてお伺いした上で、具体的な方法に関するアドバイスをさせていただきます。
悪臭の受忍限度は何によって決められるのですか?
悪臭の受忍限度の法的範囲基準
窓からの悪臭が問題になる場合、一般的に被害が訴えられたら全て違法とはなりません。
その事案についての具体的な事情を総合的に考慮して、被害が社会生活上受容すべき限度を超えている場合に初めて違法であるとされます。
この「社会生活上受忍すべき限度」も個人差があるため、判断が難しいです。
悪臭の限度の判断にあたっては、発生源の種類や発生する頻度・時間帯、被害の性質や該当地域など、諸々の事情を考慮して判断されます。
最も重要なのは、法令上の基準値を超えているかどうかという点です。
この基準値を超えているかどうかは、最終的には裁判所の判断を待つこともあるため、解決まで長い道のりとなる場合もあります。
悪臭規制の治験手順
受忍限度による規制は、悪臭だけでなく騒音・日照など、あらゆる公害紛争において同じ考えを持っています。
では人の嗅覚による悪臭の規制とは、どんな方法で見ていくのでしょうか?
悪臭防止法という法令が採用している基準の治験手順は次のようなものです。
- 1.6人以上の悪臭の有無を判定する人に、それぞれ3つのプラスチック製の臭袋が用意される。
- 2.そのうちの1つに臭気を測定したい試料、残りの2つには無臭の空気が充たす。
- 3.各被験者は、3つの臭袋の中身を嗅ぎ、どの袋に臭いが入っているかを当てさせる。
- 4.正解した場合には、試料を無臭の空気で薄め、再度、同じテストを行なう。
- 5.さらに試料が入っている袋をパネルが嗅ぎ当てられなくなるまで空気で薄める。
そのときの希釈倍数(何倍に薄めたか)を求め平均したものを臭気濃度とし、臭気濃度に数学的な処理を行なって算出した臭気指数という指標で、悪臭の規制を行ないます。
この方法は一般的な機器での分析法と異なり、平均をとって割り出すところに個人差によるずれが出てきます。
もう一つは機器による測定で、一定基準以上が継続的に臭っている場合は悪臭とみなされることもあります。
どちらかというと機械で計測する方が個人差によるずれもなく、納得のいく結果になることが多いかもしれません。
悪臭の受忍限度は一概には言えない
悪臭の受忍限度を感じるのは環境や事情で異なる
規制を遵守しているかどうかと、悪臭被害が受忍限度を超えるかどうかは別問題であると私たちは考えています。
特に悪臭などの判断にあたって、規制基準は考慮されるいろいろな事情のうちの重要な一つの基準として存在します。
ですが、さまざまな要因で精神的に負担がかかるというものに関しては、どのようなことにおいても解決することの目的には違いがありません。
「公害」の定義
環境基本法2条3項は、「公害」という語について、以下のように定義しています。
この規定に列挙された悪臭という言葉が典型的な公害であり、騒音などと並んで典型7公害と呼ばれます。
つまり、窓から入ってくる悪臭は公害になるのです。
解決方法としては、裁判(訴訟による差止めや損害賠償請求、あるいは緊急を要する場合の仮処分)のほかにも、簡易裁判所の調停、もっと前の段階だと行政からの指導などがあります。 臭いの発散については悪臭発生源を移設しても風の影響があり、風向や風速によっては以前のように悪臭が漂ってくることがあります。
このように、行政を納得させるだけの証拠の準備が素人の方では難しいことがあります。
専門家のアドバイスや戦略のもとに対策を準備することが、悪臭問題を解決する近道になります。
悪臭の原因をチェック!法律との兼ね合いは
当事務所と連携して、悪臭でお悩みの方は受忍範囲を確認し、紛争にならないような解決手段を見いだしていきませんか?
悪臭の紛争は、特に臭いを感じやすい近隣間で起こることが多いものです。
ご近所や隣人関係は引っ越さない限りずっと続くものですから、ギスギスした解決方法でご依頼者様が今後住み続けることが難しくなれば本末転倒です。
わだかまりを残さないような円満な解決を目指し感情的な対立が起こらない、かつ解決するように証拠及び円滑な方法で悩みをクリアにしていく必要があります。
悪臭調査について
ファミリー調査事務所の悪臭調査は次の通りです。
- 悪臭を発生させる特定の物質をあらかじめ特定する。
- 物質の空気中の濃度を規制する物質濃度規制と、原因物質を問わず、臭気指数によって規制する方法いずれかに当てはめて市町村で重視する方向性に合わせて解決資料を制作する。
ただし実際には規制基準を下回るレベルであっても、住民にとっては、生活・健康に支障を及ぼすことはよくあります。
特に臭気に関しては、専門知識がないと測定は難しい部分があります。
そこで当探偵事務所は規制基準を超えない範囲の臭気でも、悪臭の程度・地域性・ご依頼者様の年齢や職業・健康の状況・被害程度などの事情を総合的に考慮して、受忍限度を超えているとした調査や証拠を練っていきます。
悪臭の発生源を突き止めて防止する
どんな悪臭が影響を与えているのかが重要
一番大切なのは、ご依頼者様が不快に思っている症状を抑えることです。
そのため、臭気の発生を防止することが、解決において重要なポイントとして挙げられます。
窓やベランダから入ってくる臭いについては、気圧との関係を考慮しつつ臭いの原因が何なのかを突き止めます。
具体的には近隣からのタバコの臭い、揚げ物の臭い、ゴミの臭いなど、環境によってさまざまな臭いが窓から入ってきます。
エアコンが苦手で夏でも窓を開けている人などは悪臭にとても困っていることが多く、夏などは近隣のエアコンモーターの使用率が高いことから、空気の流れや時間などを徹底調査します。
このような場合、換気方式や気圧の関係なども含めて多角的に調査しますので、臭いが流れ込みにくいような対策や直接臭いの発生源を断つ対処も行えます。
悪臭の原因を止めることで直接の悩みを解決
外から入る悪臭は、室温が高かったり外の温度が上がっている時、エアコンの設置条件など空調を調整することで悪臭を感じにくくすることが可能となります。
こうした習性をもとに臭いを感じにくいように対処したり、悪臭の原因を取り除くことも可能です。
例えば、悪臭は人に不快感を与えるにおいの原因となる悪臭原因物質が、大気中に放出されるために発生します。
悪臭防止法では、都道府県知事(指定都市及び中核市においてはその長に委任)が規制地域の指定及び規制基準の設定を行ないます。
特に人間の嗅覚は五感の中でも特に鋭敏な本能的・原始的な感覚です。
人が何らかの臭気を感じた時、それを不快に感じるかどうかは個人差以外にもさまざまな環境や状況が影響してきます。
また嗅覚疲労を起こしたり、臭いに順応することで感じ方が変わることも度々あります。
臭いの原因例
同じ悪臭に長時間曝露され続けると、やがて臭いを感じにくくなることもあります。
主な原因例をいくつかあげていきます。
- 産業廃棄物、野外焼却(最多)
- 工場などからの煤煙や、換気
- 喫煙の際にタバコから放出される臭い
- 食物を調理するにおい
- 養鶏・養豚・酪農
- 下水や生活排水などの汚水
- 排気ガス
このほかにも、過去の調査結果にて原因として多く見られたのは以下のような事例です。
- 生ゴミ等の一般廃棄物の集積場
- ペットの排泄物や体臭
- 便所の設備
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