近年では「結婚」を目的とした出会いは、マッチングアプリやお見合いサイトでの婚活が中心になっています。
そのなかでも、「騙されそうになった」という経験がある人が多数いるようです。
結婚相手を真剣に探しているかたに対して、一生懸命な思いを巧みに利用して騙す行為とはどんなものでしょうか。
騙されないためにどんな方法があるのかご紹介いたします。
執筆者:湯出2024年1月29日
ニッチな情報収集と潜入調査が得意。ポジティブな姿勢と忍耐力で問題解決に全力を注ぎます。
目次
お見合いサイト利用した婚活について
最近では結婚を目的とした出会いの方法は多種多様になりました。
現在はオンラインで婚活を行なうかたも多く、ネット上のサービスで結婚相手と知り合うことができます。
最近では結婚するカップルの10組に1組はお見合いサイトや婚活アプリ(マッチングアプリ)などが出会いのきっかけに多いようです。
ネット上で婚活(お見合い)を行ない、インターネットを通じて結婚相手を探すことができるツールのことです。基本的には、本気で結婚相手を探したいという人向けの婚活に特化したサービスです。
一昔前は「出会い系サイト」と呼ばれ、ネット上で出会いを求めることに、犯罪につながる身の危険を感じる人がいたかもしれません。
しかし、最近では身近にお見合いサイトで交際や結婚へ発展したカップルも珍しくなくないため、世間的にも警戒心は薄まったといえるでしょう。
むしろ効率が良く、条件の揃った相手を見つけ出せるところが、忙しい現代人に評価されており、時代に合った出会い方なのかもしれません。
メリットとデメリット
社会人になると仕事が多忙なため、異性との新しい出会いも限られてきます。サイト上なら異性と話すのが苦手な人でも、自分の考えが伝えやすいことが多くの人に利用されている理由です。
また、はじめから結婚を前提にしているので、恋愛関係のようなドキドキはなくても、駆け引きのようなことをする必要もなく、そのシンプルさが今の時代に合っているのかもしれません。
メリット
とあるアンケート調査に基づいたデータによれば、リアルなお見合いよりも ネット婚活のほうが気軽に始められ、断りたいときは気を遣うことなくお断りできて、都合のよい時間に利用できると意見が多いとのことでした。また、次のような点もお見合いサイトが支持されるポイントではないでしょうか。
- 場所や時間を問わないため手軽
- 利用料金が手頃または無料
- 自分のペースで結婚まで進められる
- 1対1なので距離を縮めやすい
- 断られたときのダメージを抑えられる
デメリット
男性会員においては女性と出会いたいだけの既婚者が混ざっていることもあります。また、運営側が故意にサクラを利用して会員を集めている場合もあります。
結婚に対する意識が低い人会員さんも存在している場合もあります。こちらが真面目に交際していたのに、相手の結婚願望があまりないとのことがあるようです。また一途さを演出していながら実は多数の異性とやりとりしていることも考えられます。
個人情報及び本人確認など管理が甘いことがあります。そのため、学歴、資格、婚歴などの確認もどこまで対応しているのか確信は持てません。
詐欺実態調査の依頼事例
お見合い相手に騙されているかも?
大手ヤフーのお見合いサイト(現ヤフーパートナー)では多くの方が活用されている一方で、悪質な要注意人物が会員に紛れているというウワサもありました。実際に「騙されているのでは?」と悩まれ、当事務所へご相談にいらっしゃいました。
ご依頼者: | 34才/女性 都内在住会社員 |
---|---|
ご依頼理由: |
詐欺被害に遇ったのは入会して半年が経った頃です。 入会しても、なかなか出会いがなく半ばあきらめかけていた私にメッセージをくれた男性がいました。とても優しく穏やかな方で肩書もしっかりしており、まさに結婚相手としては理想的でした。 メールでのやり取りが続いた後、デートに誘われてお酒をご馳走になりました。彼は容姿に自信のない私に「人は見た目ではない、恋愛もせず仕事をひたむきに頑張った貴女は素敵です」と優しい言葉をかけてくれて、さらに「結婚を前提につきあってほしい」と言われました。そのとき私は言われ慣れていないうれしい言葉に舞い上がってしまったのです。 ところがその数日後事態が大きく変わりました。 ある日勤務中に彼からLINEがありました。なんと、彼の弟が事業に失敗し、彼自身も胃がんが見つかったというのです。添付されていた画像には、彼はやつれるように見える写真がありとても心配になりました。 LINEの内容は、弟の借金を助けてやりたいけど、自分は闘病中で何もできないから代わりに援助してほしいとありました。なので、急いで私は貯金から弟さんの借金80万円を彼に送金しました。それからも、彼の手術費や治療費など総額150万円ほど渡しました。 しかし数日、久しぶりにお見合いサイトに掲載されている彼のプロフィールページを閲覧したところサイトから消えたのと、私が偶然彼のSNSを見つけたのはほぼ同時期でした。画像の彼は、妻子らしき女性とお子さんと一緒に写ってました。そのとき私は激しく動揺しましたが、それでも彼を信じたい気持ちはあります。 何度かLINEを送っていますが、既読はつかず連絡はきません。 彼の素性とどのような生活を送っているのか調査してほしいです。 |
調査結果
まず、調査対象となる「彼」が写っている写真を使用して、身元を特定し身辺調査いたしました。
彼は独身ではなくご依頼者さまが発見したSNSの画像通り妻子持ちでした。その他、年齢、住まい、職業など、ご依頼者さまに伝えていた情報は偽りだらけでした。相手の気を引くための演出だったのでしょう。
ご依頼者さまに結果報告したところとても落胆されていましたが、「慰謝料の請求を検討したいので、相談に乗ってください」と気持ちを切り替えられていました。
このたびは大変お世話になりました。最悪な状態で一人で問題を抱えるのは不安だったため、調査会社へ相談してよかったです。
初回の無料相談では熱心にお話を聞いてくださり助かりました。このことがきっかけで本格的に調査依頼いたしました。
お見合いサイトで詐欺だなんて、と信じていませんでしたがまさかターゲットにされるのはすごく悔しいです。私も調子のいい言葉に簡単に騙されてしまったのでまだまだだなと感じました。
このできごとは許してはいませんので、アフターサポートのサービスを利用してしっかりと慰謝料を請求したいと思います。
送金したお金総額150万円で何をしたのでしょうか。「幸せなご家族」で、さぞかしおいしいものを食べたり旅行へ行ったりしたのでしょうね。
今後も婚活は続けていき、次こそは素敵なひとと結婚したいです。あと自力も信じて、いろんな場所へお出かけしたり、出会う機会を増やしていきます。
お見合いサイトで騙される危険性
お見合いサイトの場合、騙される割合として、女性と圧倒的の多いと言われています。比較的女性会員のほうが結婚を焦っているせいかもしれません。
相手から騙されるリスクについては、婚活パーティーや合コンでも同じことが言えますが、ネット婚活特有の危険としては、目の前にいる相手を直接見極められることができないところです。
なぜそこまでして有料の婚活サイトに登録して人を騙そうとするのでしょうか。それには騙す側にとって二つの目的があるといえるからです。
- 金銭目的
- 体目当て
後者については女性が被害者の女性をターゲットにした場合になります。
お見合いサイトを利用する女性のなかには、比較的男性経験の少ない女性が多く、騙そうとする男性にとってそのような女性は騙すのにうってつけです。
金銭を要求していないのだから罪に問われないというのは大きな間違いです。
体目的で騙すことは貞操権の侵害に該当します。貞操権侵害となる要件は下記を満たした場合です。
- 二人の間に結婚の話が出ていたり、相手から結婚をほのめかされていた
- 相手が既婚者なのに独身と偽っていた
- 相手から誘われて肉体関係を持った
騙されないための5つのポイント
最も効果的な回避方法は、怪しいと思われる人物は必ず避けるということです。直観的危険を感じたらお断りしましょう。相手はメッセージの頻度が多く、やたらと距離を縮めたがるなど、避けてもまだしつこく誘ってきたら運営側へ相談しましょう。
被害を回避するには、お見合いサイトを利用するにあたり、以下に当てはまる場合は気を付けましょう。
- 容姿端麗で好条件の相手から急にアプローチされた
- メールのやり取りの段階で結婚話をちらつかせてくる
- 自分のことを詳細に語りたがらない
- 家族や友達、職場の同僚などに会わせてくれない
- 身分証などの本人確認証を見せたがらない
もし上記全て該当しない場合でも、相手から突然、金欠、病気、仕事で失敗、投資話、などの打ち明け話が出たら緊急警戒しましょう。
ネット婚活の危険を避けるための対策法
いちばんの重要な対策としては、お見合いサイトの利用者自らが騙される危険を回避する方法を身につけておくことです。例えばすぐに相手を信用しない、個人情報を公開しないなどです。
女性の場合、相手が体目的かもしれないので、少しでも不安を感じたら1対1で会わない、お会いする時間は明るい時間帯に設定しましょう。
逆の立場で「騙された」を避けるために
反対に相手のほうから「騙された」と受け止められる可能性もゼロとは言えません。愛情が裏切られたときの、恨みや憎しみは根が深いものがあります。
こちらが軽い気持ちであっても、「お見合いサイトに登録している以上、真面目に結婚を考えている異性」として見られています。
気軽な気持ちでつきあって、やっぱりやめたという遊び感覚による行動が相手を深く傷つけることになることになります。
結婚詐欺の慰謝料請求について
騙されたことが結婚詐欺とは限らない
お見合いサイトで騙されたといっても、その全てが結婚詐欺に該当するわけではありません。結婚詐欺は、結婚をちらつかせて金品の受け渡しがあって初めて成立する犯罪だということです。
つまり、金品の受け渡しがない場合は、いくら感情をもてあそばれ、騙されたと感じていても結婚詐欺ではなく「詐欺未遂」になります。
詐欺の可能性がある要件
被害内容が結婚詐欺に該当する場合、何とかして慰謝料を請求したいものです。慰謝料請求のためには、詐欺罪を立証する必要がありますが、お金の貸し借りや結婚の約束する際は、ほとんど物的証拠を残さないことなどから結婚詐欺は詐欺罪での立証が難しいとされています。
下記の要件を満たせば結婚詐欺に該当する可能性があります。
- 結婚を前提に金銭を渡してしてしまったこと
- 二人の間で結婚の約束がされていたこと
- 加害者の方から被害者にお金を要求したこと
騙されているかな?と思ったら
危険がゼロではないネットでの婚活は、慎重に相手を見極めながら利用する必要があります。怪しいと感じたら、その相手とのやり取りを進めずにやめておきましょう。
ただし過剰に警戒しすぎると、本当のチャンスを見逃しかねませんので、バランスを取りながら活用できるといいですね。次に向けて動き出すご相談者さまを応援します!
それでも、「騙されているのかわからない、不安。。。」とお悩みの場合は、トラブル対策の一環として相手の情報収集を行なう探偵や調査会社を利用してみるとよいでしょう。
また、アフターサポートも行なっておりますので、調査終了後もお悩み問題が浮上した際にご相談ください。