企業の採用活動の中で、社会人経験のある中途採用者は、特に即戦力になりやすく期待値も大きいです。
反面、前職の退職理由や転職の経緯、これまでの素行が気になるものです。
採用後のトラブルを回避するためにも、採用前に身辺調査や前職調査を検討する企業が増えています。
一方で個人情報保護法との兼ね合いもあるため、合法的に調査するためのご相談を多くいただきます。
今回は、中途採用者の身辺調査や前職調査の具体的な内容と、合法的な調査方法について解説します。
執筆/監修者:山内 和也
2023年2月14日
目次
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身辺調査と前職調査とは
身辺調査とは
前職調査とは
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中途採用者の身辺調査・前職調査が必要な理由
採用に客観性をもたらしミスマッチリスクを防ぐ
雇用後に発生し得るトラブルを回避
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中途採用者の身辺調査は違法ではないのか
特定の事項を満たしていれば違法にはならない
「要配慮個人情報」は特に注意
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中途採用者の身辺調査は自力でどこまでできるか
原則、応募書類に記入された情報まで
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中途採用者の身辺調査を探偵に依頼するメリット
本人への通達なしで合法的な調査が可能
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中途採用社の身辺調査を探偵に依頼するための事前準備
調査対象の採用候補者の基本情報をまとめる
身辺調査を行なう目的や得たい情報をまとめる
探偵に見積もりをとる
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中途採用者の身辺調査・前職調査に関する無料相談窓口
気軽に相談できる無料相談窓口
身辺調査と前職調査とは
身辺調査とは
普段の素行や人間関係、犯罪歴や民事訴訟歴などについて調査をすること
バックグラウンドチェックや素性調査とも言われる調査で、本人の同意なしで実施される場合も。
採用目的の身辺調査の場合、応募者の経歴や信用情報(犯罪歴や訴訟歴、反社会的勢力との関係性など)の確認が主な目的です。
これらの情報は本人のプライバシーに関わる内容が含まれるため、一般的には調査探偵事務所や興信所、信用調査会社などの専門家に依頼して調査を実施します。
前職調査とは
中途採用に限定される調査で、内定候補者の前の職場での仕事に対する姿勢などについて実施するものを指し、別名でリファレンスチェックとも呼ばれている
本人の同意を得た上で、一般的には前職の上司や同僚に対するヒアリングによる調査が行われています。
前職調査は身辺調査と違い、プライバシーに関わる部分には触れることなく、あくまで前の職場で周囲からどのように評価されていたのかを確認するのが特徴。
また、本人の同意を得て実施する上に、前の職場の誰にヒアリングを行なうかを応募者本人が推薦する仕組みがほとんど。
加えて、調査によってトラブルが起こる心配もほとんどありません。
この調査は、外資系企業では一般的に実施されているもので、近年日本国内でも導入する企業が増えています。
企業によってはあらかじめ応募要件に必須として盛り込んでいるケースもあります。
中途採用者の身辺調査・前職調査が必要な理由
採用に客観性をもたらしミスマッチリスクを防ぐ
日本の一般的な採用活動では、履歴書や職務経歴書が選考の主な基準になりますが、応募者が主観で記載した内容の真偽も含めて、採用側が面接で適正な人材かを見極める必要があります。
面接担当者のスキルに依存してしまう反面、限られた情報と時間の中で、人材の本質を見抜くのは非常に難しい。
身辺調査や前職調査は、客観的な評価情報を得られます。
調査によって、面接担当者の主観に依存することなく、それに対して、企業が求める人材とマッチしているかをより正確に判断することができます。
雇用後に発生し得るトラブルを回避
身辺調査や前職調査によって、過去の犯罪歴や前職でのトラブルを採用前に確認できます。
また、企業風土や適性が合わない採用を減らし、入社後に発生しうるトラブルを未然に防ぐことができます。
中途採用者についての精度の高い情報が得られ、不安なく採用ができることは、企業にとってのメリット。
中途採用者の身辺調査は違法ではないのか
特定の事項を満たしていれば違法にはならない
中途採用者の身辺調査に関して、調査自体が違法にあたらないのかという疑問をよく耳にします。
この疑問の背景には「個人情報保護法」の施行があります。
個人情報保護法に抵触せず、合法的に調査を行なうには下記の条件を満たしていることが必須。
- 調査対象者本人に、身辺調査を行なうことを通達した上で同意を得る
- 調査対象者本人に、身辺調査で取得した情報の利用目的を伝え、それ以外に使用しないこと
「要配慮個人情報」は特に注意
個人情報保護法の中で特に注意しなければならないのが、「要配慮個人情報」です。
要配慮個人情報とは次に関する情報のことです。
- 人種や信条
- 社会的身分
- 病歴や犯罪
- 犯罪の被害者となった事実
- 身体や知的または精神障害があること
- 健康診断やその結果など医療に関する情報
などを指します。
身辺調査自体は、本人の同意が得られれば違法にはなりません。
しかし、この要配慮個人情報はとても取り扱いが厳しいため、その扱いを間違えると違法となる可能性も含んでいます。
大変デリケートな情報となるため、採用時の選考材料として本当に必要かどうかは慎重に考える必要があります。
中途採用者の身辺調査は自力でどこまでできるか
原則、応募書類に記入された情報まで
身辺調査を合法的に行なうには、前述した通り、本人の同意が得られていることが条件になります。
履歴書や職務経歴書、エントリーシートなどの応募書類は、個人情報の取り扱いについて本人の同意を得て受理しています。
そのため、住所や氏名などの基本情報程度であれば採用企業側が自力で調べることも可能。
しかし、経歴や能力の情報は自力で調査することが難しいもの。
費用をかけて探偵業者など外部の専門家の力を借りることも検討してみましょう。
中途採用者の身辺調査を探偵に依頼するメリット
本人への通達なしで合法的な調査が可能
個人情報保護法の施行後、自力調査が難しくなったために、探偵へ身辺調査を依頼する企業が増えています。
この個人情報保護法の施行にあたり、警察庁は探偵や興信所などの調査会社に対し、以下の特例措置を発表。
この特例措置によって、探偵事業者が身辺調査を行うことは違法ではなく、調査対象者への通知なしでの調査が認められています。
ただし、探偵事業者であっても、社会的差別につながるおそれのある「要配慮個人情報」については取り扱いません。
探偵事業者では、事前にクライアントとなる企業側から得たい情報やその利用目的のヒアリングを行い、違法性はないかを判断します。
依頼する場合は、あらかじめ調査対象者の情報と、調査を行なう理由や目的を詳しくまとめておくようにしましょう。
中途採用社の身辺調査を探偵に依頼するための事前準備
調査対象の採用候補者の基本情報をまとめる
探偵の実際の調査では、張り込みや聞き込み、尾行などを行なうため、調査対象者の基本情報がまとまっているとスムーズな調査が可能です。
氏名や住所、顔写真など、応募書類に記載の情報に加えて、面接で気がかりだったことや、少しでも気になったことがあれば些細なことでもまとめておきましょう。
身辺調査を行なう目的や得たい情報をまとめる
目的や得たい情報の内容が差別や偏見につながると判断したものはお断りされることもあります。
調査したい内容に差別・偏見につながるものがないか、一度書き出してみるようにしましょう。
探偵に見積もりをとる
上記の必要情報をまとめたら、探偵社に見積もりをとります。
身辺調査の依頼料は、以下の項目に応じて費用が算出されます。
- 調査内容
- 事前の情報量
- 調査期間(日数・時間数)
- 取得する情報や証拠の種類
信頼のできる優良な探偵事務所は、本契約前に依頼者の要望をヒアリングした上で、根拠のある見積書を作成します。
過去の事例からおおよそ20~80万円の料金プランをお選びする方が多いです。
予算と得られる情報の精度などを比較し、最良な探偵事務所を選ぶためにも、複数社に見積もりをとって比較検討するのも良いでしょう。
中途採用者の身辺調査・前職調査に関する無料相談窓口
気軽に相談できる無料相談窓口
個人情報保護法により、
企業側が自力で身辺調査や前職調査を行なうことは難しくなりました。
しかし、これらの調査は選考時の判断材料としてだけでなく、また採用後のリスク軽減のためには有効な手段です。
中途採用者についての精度の高い情報が得られ、不安なく採用ができることは、企業にとって大きなメリットです。
安全に詳しい情報を得るために、自力での調査が不安だったり困難な時は、無理をせず探偵の無料相談窓口をご利用ください。
当事務所の無料相談では、調査の専門家が必要な調査や情報の種類、情報収集調査の手続きなどをご説明いたします。
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