結婚を装った詐欺に遭遇し、心に傷を負う人が後を絶ちません。
この記事では、実際の結婚詐欺被害の事例を紹介し、なぜ信用調査が被害防止に不可欠なのかを解説します。
被害に遭う前に、相手の背景を知ることの重要性と、信用調査がどのようにあなたを守るかを理解しましょう。
執筆/監修者:山内 和也2024年1月30日
探偵調査歴20年。国内外の潜入調査、信用に関する問題、迷惑行為、企業や個人生活での男女間のトラブルなど、多岐にわたる問題を解決してきました。豊富な経験と実績を基に、ウェブサイトの内容監修や執筆も行っています。
目次
1- 結婚詐欺の被害相談事例
世のなかには、何も落ち度がないにもかかわらず一方的に傷つけられ損害を払わされた挙句、対処しようがなく泣き寝入りしている人が存在します。
今回紹介するご依頼者の女性の場合も、まさかの事態に悔み、悲しみに暮れいている人の一人でした。
ご依頼者様: | 30代/女性 会社員 |
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ご相談内容: |
SNS上の突然のダイレクトメールが始まりでした。同じスピリチュアルの趣味を通じて、私の投稿見てくれたようで「素敵な人ですね。よかったらお返事ください」という言葉で締めくくられていました。 メールでのやり取りも弾み、直接会うまでに時間はかかりませんでした。同じ歳で誕生月も同じ相性もバッチリな2人として運命を感じられずにはいられませんでした。肉体関係を持ってから、ますます彼に夢中でした。 ところが出会って3ヵ月が過ぎたころ、彼が突然「会社のお金をつい横領してしまった。今すぐ返金しないと逮捕されてしまう」と泣きついてきました。 聞けば私へのプレゼントやホテル代など工面するためのお金欲しさからだというのです。切羽詰まった彼に私も責任を感じ、ずっと貯めてきた600万円を必ず返してもらう約束で渡しました。 当時、彼とは結婚前提に交際していたので信頼しきっていました。彼とはその後音信不通です。自分で必死で探しましたが、名前、年齢、職業全てが嘘でした。自分の愚かさを呪い、怒りと悲しさでいっぱいです。 そんなとき、調査会社の方から励まされ、何とか自分を立て直し「借用書と返済計画」「慰謝料請求」をすることにで前に進めると思い決心しました。絶対に泣き寝入りしたくないです。 |
2- 結婚詐欺師を逃がさないために
今回のケースでは、交際相手の「名前」「SNS」しかない状況で携帯電話は解約してしまっているので連絡ができない状況です。
このように少ない状況でも、「氏名情報から住所」を割り出せることもあります。
また、SNSに上げた写真を分析することで、「行動範囲」「勤務先情報」「おおよその住所」も絞り込み可能です。
まずは居場所と素性を調べる
まずは、本人の居場所情報が必要になります。居場所が分からないままだと加害者に罪を認めさせることも代償を支払わせることも不可能です。
居場所が特定できたら、次に素性調査です。実際に既婚者なのか、どんな生活状況なのかなど裏を取る必要があります。SNSでは嘘も公開できるので言い訳される可能性が高いのです。
このようなケースでは、いくら相手が信用できる人であってもお金のやり取りは極力避けるべきでしょう。
現金ではなく「振込」で対応してください。理由は、貸したことを証明しやすい点や氏名に嘘はないかを確認できます。
今回の調査プラン | 所在調査・行動調査10時間:基本料金380,000円+車両機材費30,000円 |
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3- 詐欺被害金を回収するために
被害金の回収まで成功させるには、「詐欺師が既婚者であるかどうか」が重要なポイントになります。
加害者について調べておく
既婚者であれば、妻はこのことを知っている可能性は低く、詐欺師も妻にバレることを恐れ示談交渉で解決できる可能性が高いのです。
あとは、詐欺師が仕事をしているかによって交渉方法も変わってきます。
ある程度自由に動けることから、会社員ではなさそうですが、仕事内容によっては支払いを逃れるような行動を起こさないかと思います。
結婚詐欺を立証することが重要
いくら被害に遭ったといっても証拠を示さなければ認めてもらえません。
彼女の場合は結婚詐欺の他、婚約破棄の被害者である可能性もありました。そうなると対象者は二重の嘘と裏切りを彼女に与えていることになります。
傷ついた分の慰謝料を取るために確実な証拠を押さえる必要があります。
4- 成功した重要なポイント
調査した結果、対象者の自宅を割り出し対象者は妻子持ちであることがわかりました。
最初から金銭目的で独身女性に近づき恋愛関係に進展させては詐欺行為を繰り返していたようです。
詐欺師の男は数々の証拠を前に、裁判になってことが大きく成り家族に知られては困ると言って、示談金の支払いを持ちかけてきました。
ご依頼者はすっかり心を傷めていましたが、相手からの謝罪と示談金の支払いに、最後はほっとされていたようでした。
調査が成功した理由
まず婚約関係にあった事実を証明するメールの履歴や、2人の行動の記録から証拠をいくつか見つけることができました。
更に当社調査員による対象人の尾行調査をすることで、対象人の素性が明らかになり結婚詐欺行為の証拠を得ることができました。
- 対象人がSNSに有力な手掛かりを残していた
- ご依頼者の償わせたいという強い気持ちがあったこと
- 二人の写真、メールの文章などの形跡が証拠となった
5- 結婚詐欺被害に遭わないためできることは?
結婚詐欺師に遭遇するきっかけは多様化しています。
出会いの場が増えた分だけ、結婚詐欺師に遭遇する確率も上がっているのです。
結婚詐欺を立証することが重要
結婚を匂わせて近づいてくる結婚詐欺師には、出会い系サイトから婚活パーティーまで、ありとあらゆる場面で遭遇する可能性があります。
結婚詐欺に遭わないためには、婚活アプリや出会い系のパーティーなどの参加を避けることが確実ですが、それでは結婚相手と出会うチャンスまでも逃してしまいます。
必要なことは詐欺師についての情報や知識を身に着けておくことです。
- 出会い系サイトで熱心にメールが送られてきた
- 街コンに1人で参加したとき声をかけられた
- オンラインゲームで意気投合して会うことになった
- 婚活パーティーで一目惚れされ付き合うことに
- よく行くBARで飲んでいたら声をかけられた
6- 急展開とありえない展開にご注意を!
まだお互いのことをよく知らないうちから、「あなたは特別」というサインを出してきたり、会って間もないのに結婚というキーワードを出してくる人は怪しいと思った方がいいかもしれません。
金銭の話題が出たら厳重注意を
詐欺師には、その道のプロも多く素早く恋愛関係へ持ち込み、怪しまれないうちに速やかにお金を貢がせることに長けています。
以下の点に警戒することで被害回避に繋がります。
- 出会ってから恋愛関係になるまでの進展が早い
- 展開といい条件といい上手くいきすぎている
- 金銭の要求には絶対に応じない
7- 結婚詐欺師の特徴
知っておくべき詐欺師の7つの特徴
結婚詐欺師の特徴を見抜いておくことは被害を回避するうえで欠かすことができません。
下記の特徴が該当したら、結婚詐欺師を疑ったほうがよいかもしれません。
多く当てはまるほどその可能性は高いと言えます。
- 出会いを運命だったといい、結婚をほのめかす
- 自分の家族や友人に合わせてくれない
- 相手と自分に共通の友人がいない
- 実態のない『お金を持っている』アピールをやたらしてくる
- 自宅に招いてくれない
- 自慢話はするが、自分のもの上や身近な話はしない
- 突然体を壊したり連絡が取りづらくなったりする
8- 結婚詐欺の手口
詐欺師の、巧妙かつ計算しつくされた手口を考えると、絶対に結婚詐欺には遭わない!とは言い切れません。
騙されないための心がけや詐欺師の手口を知っておくことです。
詐欺師特有のテクニックを知る
特に最近は婚活していることをSNSなどで公言したり、気軽に参加できる婚活パーティーなど行なわれたりと詐欺師にとっても、絶好のチャンスが豊富にあります。
更にいうと詐欺師の方は絶対にバレないための演出や小道具にも抜かりはありません。
例えば架空の名刺、会社のホームページであったり、実際には住んでいないのに、住所が高級タワーマンションだったり、あらゆる手を使って結婚相手として申し分ないことをアピールします。
男性詐欺師が女性を騙すとき
- 性格や預貯金の額、結婚願望の有無などを計算したうえで近づく
- 女性の理想的な結婚の条件を満たす完璧な相手を演じる
- 社会的信用のあることを示すために、さまざまな小道具を用意する
- 機が熟したら結婚話を持ち出し、ターゲットの良心を利用する
- 金銭の要求に至るまで借用書を用意するなど相手を安心させて少しずつ引き出していく
女性詐欺師が男性を騙すとき
- 魅力的な女性を演じて男性に声をかける
- 男性に甘えたり褒め称えて、自尊心をくすぐる
- 結婚をほのめかす言葉で相手をその気にさせる
- 簡単に体を許さず、相手を焦らす
- 弱みに付け込んだり同情心を買って金銭を引き出す
9- 詐欺に遭ってしまったらどうする?
ここまで解説した通り、金銭だけでなく精神面でも大打撃を被るのが結婚詐欺被害です。
被害者からしたら、相思相愛だと信じていた相手です。それがすべて嘘だったと知ったら、とても平常心ではいられません。
音信不通になって詐欺だと気づいたとき
詐欺に気がつくタイミングというのは、ほとんどが相手と音信不通になってからだそうです。
連絡も取れず、渡してしまったお金も戻らず、心に傷を負った状態で途方に暮れる…そんな最悪の状態です。
泣き寝入りは相手の思うつぼ!
しかしここで泣き寝入りしたら、まさに詐欺師の思うつぼです。
もし被害に遭った場合、次にとる行動は結婚詐欺を立証することです。
警察にいくら被害を訴えても、証拠がなければ相手を詐欺罪として訴えることはできません。
なぜ訴えることが難しいの?
結婚詐欺師がお金の貸し借りや将来の約束するときは、ほとんどが口約束で、物的証拠を残さないことなどから詐欺罪での立証が難しいとされてます。
また、だまし取ったお金を詐欺師が使い切ってしまい、回収することが難しいともいわれています。
10- 結婚詐欺を立証するための方法
初めから騙すつもりで計画的に動いていた詐欺師が簡単に罪を認めるはずもありません。
詐欺罪で訴え裁判に進展しても、以下のような言い逃れをするケースがほとんどです。
- 「本当に結婚しようと思っていたけど気が変わった」
- 「お金を要求した覚えはなく、向こうが自分の意思でくれたもの」
- 「将来的にきちんと返すつもりだった」
一人で詐欺を立証できる?
上記のような言い逃れが予想できることからも、行方の分からなくなった相手を見つけ、そのうえ証拠を集めることは至難の業でしょう。
そんなときは、調査の専門家に任せることが一番有効です。
結婚詐欺の対処は一刻の時間も無駄にはできません。
まずは相談してみることをお勧めします。
11- 結婚詐欺師に慰謝料請求したい
詐欺被害にあった場合、金銭を騙し取られているので不法行為(民法709条)として損害賠償を請求することができます。
また、結婚詐欺は法律上「詐欺罪(人を欺く行為行為)」に該当します(刑法第246条)。
金銭の被害があって成立する詐欺罪
このときに注意しなければならないのが、詐欺師が身分を偽るなどターゲットを騙しただけの場合、詐欺罪は適用されず、詐欺師の嘘を信じた(錯誤)うえで、なおかつ金品の受け渡しがあって初めて成立する犯罪だということです。
したがって金品の受け渡しがない場合は「詐欺未遂」になります。
詐欺に該当するか否か
結婚詐欺の事実を立証して慰謝料請求するには、下記を証明する必要があります。
- 客観的に見て詐欺の事実があったこと(騙す行為と財産的な損害の発生)
- 初めから金銭を騙し取る意思があった(詐欺の意思)
12- 結婚詐欺の裁判と相場
結婚詐欺の慰謝料請求の相場は30万~200万と金額に幅があります。
詐欺被害で受けた損害の大きさによる
金額は証拠に基づきあらゆる状況判断により決定されるため、どうしても一律の金額とはならないのです。
実際に請求金額を全額受け取れるかどうかは、結婚詐欺の被害者の受けた損害の大きさと詐欺に悪質さをどれだけ立証できたか に掛かってきます。
裁判で認められやすい物的証拠
結婚詐欺被害を受けた側が賠償金として慰謝料を請求する裁判を行なったとき、例えば下記のような詐欺の物的証拠が必要になり、裁判でも有効な証拠の一つと認められます。
- プロフィール上で詐称があったことを示すもの
- 騙されていたことが分かるメールなどの文書
- 結婚へ向けた準備にまつわる金銭の動きやメモ
- お金の振込明細
詐欺の罪に問われるかどうか3年が目安になる
結婚詐欺にすぐ気がついて行動を起こした場合、そこから3年以内に相手に慰謝料請求の訴訟を起こします。
また、結婚詐欺に気づかず犯人が自ら詐欺を認めた場合は3年過ぎても請求可能です。
13- 結婚詐欺被害の相談窓口
詐欺と判明したら早急に対応すべき
信頼していた相手からの突然の裏切り行為、そのショックの大きさは計り知れません。結婚詐欺などの場合、金銭的な損害以上に心身の負担があまりにも大きいものです。
私どもができることは、その気持ちに丁寧に耳を傾けて、その気持ちを汲んで、徹底的に証拠を集め詐欺師を特定することです。
それにより決定的な証拠が得られても最終的には、ご自身の心の声が最終的な決断に繋がるのだと考えています。
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