2024年7月からNetflixで配信開始されたドラマ「地面師たち」が大きな反響を呼んでいます。
地面師とは、不動産の所有者と偽って買主から購入代金を騙し取る詐欺師のことです。
この詐欺はドラマのなかだけのものではなく、実際に存在します。
近々不動産の購入をする予定がある方は、地面師のことを知っておくべきです。
この記事では、地面師の見抜き方や詐欺被害にあわないための対策を解説します
当事務所の不動産トラブル調査は全国トップレベルの実績で、ご依頼者の96%が調査結果に満足いただいています。
目次
地面師とは?
先に述べたとおり、地面師とは所有者と偽って買主から不動産の購入代金をだまし取る詐欺師集団のことです。
1人ではなくチームを組んで詐欺を行なうのが地面師の特徴です。
それぞれ、詐欺の企画・指示役、調査役、偽証書類や身分証の作成や交渉役など、役割があります。
近年、都市部を中心に地価が上昇し詐欺を働くうまみが増えたこと、管理が行き届いてない誰も住んでいない不動産が増えたこともあり、地面師が関係する不動産詐欺は増加傾向にあります。
次に地面師が起こした事件を紹介します。
地面師が起こした不動産詐欺事件の概要
地面師が起こした不動産詐欺事件は、東京を中心に多数報告されています。ここでは、2つの事件を紹介します。
🏢 積水ハウス地面師詐欺事件
この事件はドラマ「地面師たち」のモデルとなった事件です。
2017年に発生したこの事件では、大手ハウスメーカーの積水ハウスが、55億5900万円もの巨額を騙し取られました。
事件はJR五反田駅から徒歩3分の600坪という元旅館の土地を舞台にして行なわれました。
報道によると、この事件では土地売買契約書、登記手続きの委任状、本人確認の公正証書、地主である女将の印鑑証明書・住民票、売買契約締結時の写真が偽造され、取引条件の最終打ち合わせには、所有者に扮した女性も現れました。
最終打ち合わせで個人情報を記入する際に、その女性が住民票上の住所の番地を誤って記載するなど怪しいサインもありました。
しかし、女性が高齢であること、積水ハウスが買い焦っていたこともあり、気に留めなかったようです。
結果、積水ハウスは55億5900万円を騙し取られました。
🏢 渋谷区富ヶ谷地面師詐欺事件
東京都渋谷区の高級住宅街富ヶ谷でこの事件は起こりました。
報道によると、都内の不動産会社は地面師から6億5000万円を騙し取られたようです。
この土地の地主は、高齢の華僑で現在は台湾に住んでおり、犯人はこれを悪用しました。
犯人は代理人を名乗る弁護士に扮し、その人物が経営するという弁護士事務所で打ち合わせが行なわれました。
地主本人は入院していると嘘をつかれ、本人確認ができたのは契約の3日前でした。
相場より安い金額で他にも交渉相手がいると買い焦らされたことで、不動産会社は詐欺被害にあいました。
このように、地面師は買い手側が強い人気の物件の特性を悪用します。
地面師の見抜き方・騙されない対策
地面師は不動産売買詐欺のプロ集団であり、簡単に見抜くのは困難でしょう。
しかし、特徴があり、見抜き方や騙されないための対策があります。
ここでは、その対策を解説します。
怪しい取引の兆候に注意する
地面師詐欺にはさまざまなパターンがありますが、共通点があります。
下記のような怪しい兆候を見逃さないようにしましょう。
この取引方法自体が怪しいというわけではありません。
しかし、地面師詐欺事件の多くの取引が仲介業者や代理業者を名乗る人物を通じて行なわれています。
理由は、業者を通じて取引を行なえば、所有者と買主が直接会う回数が少なくて済むからです。
会う回数が多いほど偽物と見抜かれるリスクが高くなるため、地面師詐欺は仲介業者や代理業者を通じて行なわれることが大半です。
所有者である売主に会いたいと伝えても、断られる場合にも、注意が必要です。
断られる理由も先ほどの理由と同じで、売主でないという嘘が露見してしまう確率が高くなるためです。
高齢や病状が悪い、海外に住んでいるといったもっともらしい理由をつけて断られます。
地面師は短期的に取引を完了させようとします。
これも同じような理由で、所有者と偽る時間が長ければ長いほど、偽物であることがバレる可能性が高くなるためです。
「他の買主と交渉中」などもっともらしい理由をつけて、異常なほどに急かされる場合は要注意です。
地面師が目をつけやすい不動産の特徴を知っておく
地面師が目をつけやすい不動産には似た様な特徴があります。
下記の特徴全てに当てはまったら注意深く取引をする必要があります。
目をつけやすい不動産には、所有者が高齢という特徴があります。
所有者が高齢の場合入院や老人ホームに入所しているという場合が多く、取引途中に本物が現れるいうことになりにくいので、地面師にとっては所有者に扮することが簡単になります。
次に空き家や駐車場、更地など人が住んでいない場所も目をつけやすい不動産といえます。
理由は人が常時いないため、現地調査を実施しても、嘘だとばれる可能性が低くなるためです。
抵当権の設定がない不動産も地面師が目をつけやすい物件です。
その理由は抵当権の設定がされている場合、抵当権を抹消するために所有者が銀行などの金融業者とやりとりする必要があるためです。
余計なやりとりが増え、偽装がばれるリスクが高まるため、抵当権の設定がある物件を避ける傾向があります。
本人確認を専門家と慎重に実施する
地面師詐欺は偽物が所有者と偽って行なう詐欺です。
本人確認で、偽物であることを見破れば詐欺は起こりえません。
偽造されている疑いのある怪しい書類があった際は、司法書士や弁護士に依頼して慎重に本人確認を実施しましょう。
怪しい兆候があったらプロに調査してもらう
本記事で紹介した怪しい兆候があったら、調査のプロである探偵に調査してもらうのも1つの手です。
探偵事務所では、司法書士や弁護士にではできない信用調査の実施が可能です。
信用調査を行なえば、対象人物の行動や経歴に問題点がないか確認できます。
地面師はチームを組んで行動します。そのため、素行調査を行なえば不振な人物と会っているのが確認できるはずです。
グループ全員を調査することも可能です。
当事務所で行なう不動産詐欺の調査内容
当事務所では、不動産詐欺や売買における不正行為の調査を行なっています。
この記事で紹介した地面師が疑われるような詐欺事案から、投資マンションの強引な押し売りや、売主が物件の重要な欠陥を隠して売買した不正な不動産取引など、多岐に渡ります。
具体的な調査内容としては、不動産トラブルで重要な役割を果たす法的な証拠収取です。
不動産トラブルは、後に裁判に発展する事案が大半です。その際に、有利となる裁判の証拠を収集します。
また、当事務所は法的手続きにも精通しており、弁護士と連携して戦略を立て、ご依頼者様に有利な結果を得られるよう支援し、不動産に特化した弁護士も紹介しています。
※弁護士の紹介料をいただくことは、法律で禁止されておりますので紹介は無償です。
地面師(詐欺師)を見抜くには?
地面師に対して、探偵や興信所が行なえる調査は、その目的や状況によって多岐にわたります。
地面師に対する探偵の調査は、尾行や張り込みなどの行動調査を行ない、地面師の行動パターンを把握し、不正行為の証拠を掴みます。
状況に応じて、以下の調査であらゆる情報収集を行ないますのでご安心ください。
人物調査
- 経歴調査:地面師と名乗る人物の過去の経歴、職業、関係者などを調査します。
- 財産調査:不動産、預金、借金などの財産状況を調査し、経済的な裏付けを調べます。
- 評判調査:地域住民や取引先などへの聞き込み調査を行ない、その人物の評判や過去のトラブルなどを調べます。
不動産調査
- 不動産登記簿謄本調査:不動産の所有権や抵当権などの登記状況を調査し、不正な取引がないか確認します。
- 不動産の評価額調査:不動産の適正な評価額を算出し、売買価格の適正性を検証します。
- 周辺環境調査:不動産の周辺環境を調査し、開発計画や将来的な土地の利用可能性などを調べます。
取引履歴調査
- 過去の取引履歴調査:地面師が過去に行なってきた不動産取引の履歴を調査し、不正な取引パターンがないか確認します。
- 契約書内容調査:契約書の内容を詳細に分析し、不当な条項や抜け穴がないかを確認します。
- 金銭の流れ調査:取引に関わる金銭の流れを調査し、不正な資金の流れがないか確認します。
不動産トラブルの相談窓口
当事務所の不動産トラブル調査は、全国トップの実績を誇ります。
不動産トラブル調査を依頼したご依頼者のうち96%が「良かった」と結果に満足いただいています。
※自社調べ(アンケート調査:該当期間2017年8月~2024年7月)
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不動産取引において詐欺や不正な取引は、関係者に大きな損害を与えます。
不動産の取引でお困りのことがある場合は、以下のお問い合わせフォームやフリーダイヤル、メール、LINEにて24時間対応いたします。
また、正式にご契約するまで費用が発生することはありませんので、ご安心ください。
執筆/監修者:山内 和也2024年8月20日
探偵調査歴20年。国内外の潜入調査、信用に関する問題、迷惑行為、企業や個人生活での男女間のトラブルなど、多岐にわたる問題を解決してきました。豊富な経験と実績を基に、ウェブサイトの内容監修や執筆も行っています。