SNSのある書き込みがきっかけで「見知らぬ人からの誹謗中傷され炎上した」「なぜか住所がバレてしまった」など報告をうけることが最近増えました。
その背景には、短時間で住所まで特定をする「特定屋」の存在があります。
よく、人気ユーチューバーが「住所を特定されました」と動画に上げているのを目にしますが、この状況が一般の人だと犯罪やストーカー被害に簡単に巻き込まれてしまうかもしれません。
情報保護のための知識と対策が、あなたの安全を守る鍵となります。
目次
1- 特定屋の存在
特定屋は、インターネット上の情報を駆使して個人の住所や氏名などの個人情報を特定する人々や業者のことを指します。
彼らは公開されている情報や、時には半公開・非公開の情報源からも情報を収集し、特定の個人に関する詳細な情報を集めることができます。
特定屋は主に「5ちゃんねる」(旧2ちゃんねる)という掲示板のユーザーで、さまざまな事件や問題を起こした人を特定して収益を得ている人のことを指し、またの名を「特定班」といいます。
ネットのサーバーから、書き込んだ人間を特定して、どのようなパソコンを使って書き込みしたのかを分析して、書き込みを行なったおおよそのエリアを特定する、というのは2000年頃からありました。
2003年には2ちゃんねるで初めての炎上事件「JOY祭り」が起こりました。
5ちゃんねるなどを閲覧する機会が多い人曰く、その特定屋の捜査力は全国の警察本部が置く、サイバーポリスより有能ではないかと言われています。
2- 特定屋の正体
プロの探偵のような調査と警察のような捜査レベルを持つ「特定屋」の正体は「一般の人」です。
パソコンに強い人であれば、誰でも簡単に特定屋になれてしまうのです。
その方法は簡単で、GoogleやYahooなどの検索サイトの履歴から、AI(人工知能)が必要な情報だと思われるものを分析し、個々にとって必要な情報を抽出します。
もし、特定屋が炎上動画やそれに類するツイートばかり検索をしていると、AIにより、特定屋には「炎上動画」「ニュース」のツイートしか入ってこなくなります。
それらの機能を利用して、炎上しているアカウントを選択して、そこから紐付けされたSNSのアカウントや投稿のなかに隠されている個人情報を探します。
土地勘がある人であれば、画像分析で出たエリアに足を運びアカウントの持ち主が住むエリアを特定できます。
画像に上がった全ての情報を細かく分析する
こんなもので?と思うようなもので特定されることもあります。
という内容で炎上した場合、Twitterやネットニュースで話題になります。
ニュースで取りあげられたメーカーを調べ、撮影したアカウントの履歴を検索、ツイートした動画や画像で、ある程度のアカウント所有者が住んでいるエリアを絞ります。
フォロワーのツイートを調べたり、連動している他のSNSを辿っていくと本名、職場や学校名がわかる投稿が見つかることがあります。
そこから、本人特定をするために、現地調査や尾行を行なったり、共通の友人になりすまして、個人情報を収集します。
それがTwitterなどのSNSに投稿されれば、特定屋に割り出されてしまうのです。
承認欲求強いネット界のヒーローに
特定された本人やその家族のことを、5ちゃんねるやTwitterなどのSNSで明かし、ネットの世界で炎上させます。
炎上してしまうと現実社会にも影響を及ぼす可能性が高いです。ひどい時には、家庭崩壊や親の解雇、ご近所からのいじめが起こることもあります。
TikTokでの炎上動画も特定屋によって割り出され、炎上した行為者とその店舗にも経済的な損害を与える攻撃を行っています。
他にも、事件を起こした容疑者の卒業アルバムの流出、家族のその後など、ありとあらゆる情報を収集して、「まとめサイト」などに掲載することで、閲覧できてしまうのが現状です。
3- どこから情報を拾ってくるのか
特定屋は身近に潜んでいることをご理解いただけたかと思います。
特定屋は性別や職業を関係がなく、Googleマップ、Googleアース、GPSがオンになっている画像やそのなかにある情報全てを細かく分析しています。
パソコンやタブレット、スマートフォン一つでもだいたいの情報を網羅できる世の中です。
では特定屋はどのようなものから情報を抜き取るのでしょうか?
- SNS・ブログ Twitter・Instagram・Facebookなどから行動パターンや住所に関する情報を収集。
- 誕生日 生年月日から住所・卒業学校などを調べることもできます。SNSで公表している人は気を付けましょう。
- メールアドレス 流出したメールアドレスで、利用したもの全て調べられ、住所や本名も知られる可能性がある。
- 住所でポン 市町村と苗字がわかっていれば実家を割り出される可能性がある。
探偵とは違い、特定屋が活用するのはSNSからの情報です。
ある人気ユーチューバーが「新居に引っ越しました」と動画をあげた30分後には、ユーチューバーの住所が特定されるほどです。
Twitter、LINE、いろいろなアプリを連動させている人は多いと思いますが、なるべくSNSの連動は控える、また住所の特定がされやすいような風景を撮影するのはやめましょう。
4- ユーチューバーと一般人は同じ被害でも危険度が違う
ユーチューバーは対策しています
近年、ユーチューバーはタレントと同じ立ち位置に置かれることが多くなりましたが、有名ユーチューバーを除くとほとんどが一般人の部類にはいります。
では、ユーチューバーと私たちの違いとはなんなのでしょうか?
- ユーチューバーは住所を特定されても、それがネタになり広告収入が入る。
- 騒ぎになればなるほど再生数が上がり、チャンネル登録者も増え、再生数が稼げる。
- 事務所に入っていることで、会社に守られていて法的措置を取る準備がしやすい。
ネタのために賃貸を借りて引っ越しをする経費くらいは、再生数が上がれば気にすることはありません。
有名ユーチューバーになると住める家が限られますので、近所を歩いていれば有名人とすれ違う可能性もありますので「隠しても無駄」と割り切っていることもあります。
セキュリティー面だけしっかりしていれば、損害はそこまで大きなものではないのかもしれません。
その反面、一般人は住所がバレてもメリットはなく、マイナスでしかありません。
特定屋はユーチューバーだけを狙っているわけではありませんので、個人情報の管理は徹底しましょう。
5- 身近にいる特定屋に注意するために
SNSにこれをあげると危ない
一般人は泣き寝入りする可能性が高いことはわかっていただけたと思います。ネットの世界は匿名性が高く、犯人を特定するのは至難の業です。
ではどうやって対策をすればいいのか、また特定されやすいものなどを紹介していきます。
- 商店街 マンホール 場所によって、景色や模様が違う場合が多い。
- 洗濯物 制服などが写っていた場合、学校が特定されやすい。
- 目の反射に写る風景 アイドルをストーキングした容疑者は、目の反射に写る風景で住所を特定された。
- 郵便物のバーコード バーコードを読み取るアプリで個人情報がわかってしまう。
- カメラ機能にある位置情報 オンにすると経度や緯度で住所を特定することができる。
- 旅行・出張情報 空き巣に入られる可能性もあるため、自分の行動は書かない。
何気ないツイートが、特定屋にとって大きな情報になります。その情報をもとに、窃盗しやすい家などが特定されるので、上記のことに気を付けて生活するよう心掛けてください。
一般の人でも、特定屋に狙われる可能性は大いにあります。不特定多数の人たちからの嫌がらせ、ストーキング行為、盗聴、盗撮、詐欺行為など情報がありとあらゆるところに共有されているのです。
トラブルに巻き込まれないためにも、「SNSに特定されやすい写真・内容を上げない」「炎上するような内容をアップしない」など注意を払いましょう。
🌟特定屋対策調査は当事務所にご相談ください。🌟