近年、外国人による恋愛・結婚詐欺事件である「国際ロマンス詐欺」の相談が増えています。
オンラインを日常的に活用する機会が増えたことが国際ロマンス詐欺の件数増加の一途を辿る原因にもなっているのは言うまでもないでしょう。
被害の手口や被害の実態をもとに対策など詳しくお伝えいたします。
目次
【はじめに】国際ロマンス詐欺の被害金を取り戻せる可能性は極めて低い
最初に辛い現実をお伝えしなければいけないのですが、国際ロマンス詐欺において被害金を取り戻すのは非常に難しいです。主な理由はいくつかあります。
加害者の特定が難しい
詐欺師は通常、仮の身元や架空のプロフィールを使用しており、本名や住所などの正確な情報を提供していないことが一般的です。そのため、詐欺師の正確な特定が非常に難しくなります。
国際的な問題
詐欺師はしばしば国際的な組織に属しており、オンライン犯罪は国を越えることが一般的です。これにより、法執行機関が犯罪者を追跡し、逮捕するためには複雑な法的手続きが必要となります。法的な問題
被害者が異なる国に住んでいる場合、司法権の問題が発生します。詐欺が発生した場所や犯罪者が居住している場所によって、どの国の法律が適用されるかが異なり、国際的な司法協力が必要です。匿名性
インターネットを利用した犯罪では、詐欺師が匿名性を保つのが容易です。仮想通貨の使用や匿名のオンラインプラットフォームを利用することで、取引の追跡が難しくなります。時間の経過
被害者が詐欺に気づくまでに時間がかかることがあり、通報や法的手続きを開始する際にはすでに適切な証拠を確保するのが難しいことがあります。国際ロマンス詐欺の手口
国際ロマンス詐欺は、インターネットやソーシャルメディアなどを通じて始まる一種の詐欺行為で、犯罪者が被害者に対して偽の恋愛関係を築き、金銭をだまし取る手法です。
詐欺師はソーシャルメディアや出会い系アプリを通じて被害者に接触し、相手を誘導します。
被害者の興味を引くために、プロフィールや写真を工夫し、魅力的な相手としてアピールします。
以下に、過去の事例から具体的なプラットフォームの例を挙げてみますが、これは必ずしも特定のサイトが詐欺行為を助長しているわけではありません。
マッチングアプリ
出会い系アプリやマッチングアプリは、異性との出会いを提供する一方で、悪意ある利用者も潜んでいます。被害者はアプリ上で知り合った相手に感情移入しやすく、詐欺師がその感情を利用して送金を要求することがあります。
ソーシャルメディア
Facebook、Instagram、Twitterなどのソーシャルメディアプラットフォームも、詐欺師が被害者に接近する手段となります。偽のプロフィールを作成し、リラックスした環境でのやり取りを通じて被害者をだますことがあります。
オンラインゲーム
オンラインゲーム内で知り合った人との交流が発展し、恋愛関係に発展することがあります。しかし、これを悪用して詐欺行為が行われることもあります。
専用の国際交流サイト
特定の国際交流サイトや国際結婚仲介サイトでは、異なる国の人と出会うことができますが、その中には悪質なサイトも存在し、被害者を騙して送金を要求する場合があります。
信頼関係を築くために、詐欺師はコミュニケーションを深め、被害者に対して感情的な結びつきを作り出します。
被害者が抱える問題や寂しさに対して共感や理解を示し、相手に依存させることが目的です。
詐欺師は被害者に対して経済的な要求を行います。
緊急事態や困難な状況を装い、お金を要求します。
- 「病気や事故に遭い、それに対する医療費や治療費が必要だ」
- 「あなたとの再会や結婚のために、ビザや航空券の費用が必要だ」
- 「家庭の問題や個人的な困難な状況にあり、その解決のために資金が必要だ」
信頼が築かれた段階で、詐欺師は被害者に対して直接的にお金を送金するよう求めます。
被害者が騙されてお金を送金すると、詐欺師はその資金を受け取り、連絡を絶つことが一般的です。
被害者が詐欺に気づくまでに、相手は既に逃走していることがあります。
国際ロマンス詐欺事件の事例
(引用:ガーナ人グループらによる国際ロマンス詐欺事件被疑者(ナナ コフィ ボアテイン(NANA KOFI BOATENG)))外国人を装い、恋愛感情を利用する国際ロマンス詐欺事件で、大阪府警国際捜査課は14日、詐欺と組織犯罪処罰法違反の疑いでガーナ国籍、住所不定、職業不詳のナナ・コフィ・ボアテイン容疑者(33)を公開手配した。ガーナを拠点に活動する国際的な詐欺グループのリーダーで、米国に潜伏しているとみられる。
大阪府警に公開手配中のナナ・コフィ・ボアテイン容疑者。サングラスを外した別カット(大阪府警提供)
大阪府警に公開手配中のナナ・コフィ・ボアテイン容疑者。サングラスを外した別カット(大阪府警提供)
府警によるとこのグループは、架空の外国人を名乗り、交流サイト(SNS)などを通じて被害者と接触。全国の約70人から総額約4億9千万円を詐取したという。府警はこれまでに、グループの日本人メンバーの取りまとめ役とされる森川光被告(59)=詐欺罪などで公判中=ら17人を逮捕している。
同課によると、ボアテイン容疑者は共謀し、平成30年9月~令和元年12月、米国人の軍人や医師などを名乗り、大阪府内の40代女性ら4人から約2600万円をだまし取った疑いがある。
国際ロマンス詐欺の被害の相談先はどこ?
警察
被害が発生した場所の地元警察署に相談することが重要です。詳細な状況を説明し、被害届を提出することができます。
しかし、国際ロマンス詐欺の場合、本人の写真も別人のものであったり、所在地や身分などすべて偽っているケースがほとんどです。
また、昨今は国際ロマンス詐欺を組織犯罪で行なっているケースも多く、警察から逃れるために手口も巧妙化しているので摘発が困難になっています。
以前は国内に犯行拠点を構えるのが主流でしたが、東南アジア諸国の通信網の発展などを機に海外に分散している状況にあり、これは摘発されにくくする狙いもあるようです。
消費者生活センター
消費者センターについては、注意喚起と今後の被害を最小限にくいとめるためのアドバイスを無料で受けることはできます。
しかし、消費者センターは調査機関ではないので、あなたの直面している問題の実態解明を期待することは難しいかもしれません。
詐欺師を訴えることはできる?
外国籍の犯人の場合、裁判の手続きや法的な対応は、国際的な法律や協定、国内の法律に基づいて行われます。
以下は、国際ロマンス詐欺が事実だった場合の一般的な手続きと流れです。
見てわかる通り、警察に被害届を出した場合でも、刑事事件として立件するには、難易度の高いステップを要します。
犯罪が発生した国で犯人が逮捕・拘束されることが最初のステップです。外国籍であっても、犯罪が発生した国の法執行機関によって逮捕されます。
犯人が他の国籍を持つ場合、国際的な協力が必要です。犯罪が国際的な性格を持つ場合、各国の法執行機関や裁判所は情報を共有し、協力して捜査や訴追を進めることがあります。
犯人が逮捕された国と被害者の国が引渡し協定を結んでいる場合、犯人は被害が発生した国に引き渡されることがあります。引渡し手続きは国際的な法的枠組みに基づいて行われます。
犯罪が被害が発生した国で裁判が行われます。被害者の国の法律が適用され、被告人はその国の法に基づいて裁かれます。
外国籍の犯人が関与する場合、外交的な問題が生じる可能性があります。外交ルートを通じて問題が解決されることもあります。
被害届の提出や相談時に必要な情報
被害に遭った場合は、速やかに相談先に連絡し、適切なアドバイスを受けることが大切です。その際に、次に挙げる情報があることで犯人の特定や詐欺の実態把握に役立ちます。
- 相手の情報:詐欺師の情報(名前、連絡先、写真など)
- 通信記録:詐欺の手口ややり取りしたメッセージやメール履歴
- 送金履歴:送金が行われた場合、銀行や送金サービスの履歴
- 関連する証拠:メール、写真、音声メッセージ、ビデオ通話など、詐欺の手口や相手とのやり取りに関する証拠
- 被害額の詳細:被害に遭った金額や詳細な状況把握
国際ロマンス詐欺トラブルで探偵を利用する場面とは?
最初にお伝えさせていただいたように、あなたがすでに相手に送金して被害に遭った場合、その被害額を取り戻すことはほぼ不可能に近いです。
よほど明確な証拠が揃っているか、悪質な犯罪と認められた場合は国際警察や国際弁護士が介入してくれるケースもあります。
そういった事情を理解しつつも、自分の気持ちに決着をつけたいという理由で探偵調査を依頼されるケースは少なくありません。
調査の目的
- 相手の素性を確かめたい
- 相手の居場所を特定したい
- 相手と対面する日に同行してほしい
- トラブルの証拠収集をしたい
- 現実を受け止め自分の気持ちに決着をつけたい
- 騙されている家族の目を覚まさせたい
当事務所の強み
ファミリー調査事務所では、豊富な海外調査の実績という強みを生かし、あなたの悩みに出来る限りのサポートをいたします。
- アメリカ合衆国ニューヨーク州ライセンス所有米国人調査員在籍
- ベトナム支社の拠点を生かした東南アジアのネットワーク
- WAD(世界探偵協会)加盟による世界各国の現地探偵との業務提携
あなたの抱えている問題について状況をお聞かせいただき、私たちにできるサポートをご提案させていただきます。
どうぞお気軽に無料相談をご利用くださいませ。
国際ロマンス詐欺トラブルの相談窓口
あなたの恋愛感情を弄ぶような人物にあなたの大切な時間やお金、人生を明け渡す必要はありません。
もしあなたが、運命的な出会いに心を躍らせる一方で、何か違和感や不安を感じているのであれば、その事実を明らかにする時がきているかもしれません。
誰にも相談できずにいる国際的な恋愛のお悩みは、ぜひファミリー調査事務所にお任せください。
ご連絡お待ちしております。
執筆者:波多野 里奈2024年7月12日
教育学をはじめ臨床心理学、行動心理学を学び、人が抱える悩みや問題に寄り添いサポートすることを得意とする。結婚や離婚に関する問題、素行調査に関する相談解決実績多数。英語の語学力を生かし海外探偵調査の相談窓口を担当。