貸金庫から現金や貴金属を窃盗したとして、三菱UFJ銀行の40代女性行員が解雇されました。
4年間に渡り窃盗は行なわれ、被害額は十数億円に及ぶといいます。
これだけの被害額を出しながら、長期間発覚しなかったのは銀行内(社内)で窃盗が行なわれたからということも一因にあげられます。
社内で行なわれた窃盗は、証拠収集が困難で、証拠隠滅が容易なため、窃盗が発覚しにくい傾向にあります。
この記事では、証拠がない場合の窃盗事件の対応や社内窃盗で証拠となるものなど証拠収集のプロである探偵の目線で解説します。
目次
社内で窃盗事件で発生したが証拠がない場合の対応
- 被害金額の確認をする
- 被害の発生時期の確認をする
- 関係者からの聞き取り調査をする
被害金額の確認をする
社内で窃盗事件が起きた場合、最初に被害金額を正しく把握する必要があります。
被害額を明らかにすれば、今後の対応や対策をする指針を決められます。
具体的には、会社の預金口座の履歴や商品在庫リストなどを確認し、リストと実際の差異を明確にします。
今後の対策や対応を考える上で被害金額の把握は重要です。
発生時期の特定
被害金額を特定できたら、次は発生時期を特定する必要があります。
発生時期の特定は、容疑者の絞り込みに役立つ情報です。
過去のシフト表や勤務データなどを確認すれば、発生時期からは窃盗を実施した人物を特定できます。
関係者からの聞き取り調査
事件発生時に、現場付近に居合わせた人物や、盗まれたものと関係する業務に携わっている従業員など、関係者から聞き取り調査を実施しましょう。
ただし、この段階で犯行を実施した人物が特定できたとしても、犯人扱いすることは避け、事実を確認するのみにとどめることが重要です。
犯人扱いすると、証拠を隠滅される可能性があります。
窃盗の証拠がないと不起訴処分の可能性がある
窃盗事件は、刑法235条に定められている犯罪です。
しかし、窃盗罪で処罰するためには、犯人が他人の財物を窃取する意思を持って、占有を侵害したということが証明しなければなりません。
証拠がない場合、これらの事実を証明することは非常に困難なため、警察に届け出ても、証拠不十分で捜査が打ち切られ、不起訴処分になる可能性があります。
犯人を起訴するためにも、証拠を収集するようにしましょう。
社内窃盗事件の証拠となるもの
窃盗事件を立証するには、証拠が必要です。
ここでは、立証するための証拠について解説します。
防犯カメラの映像
防犯カメラに犯行の様子が映っていれば証拠となります。
高画質なカメラを適切な場所に設置していれば、犯行の一部始終が記録されているはずです。
犯行を撮影した映像は、証拠となるだけでなく再発防止策の策定にも役に立ちます。
犯行の自白
自白は窃盗事件の確実な証拠となります。
ただし、強要や脅迫による自白は法的に無効です。
対話を通じて、任意の自白を得ることが求められます。
証拠を示しながら話し合うことで、自発的な自白につながること多いようです。
窃盗されたものを保持していた場合
犯人が盗んだものを所持していた場合、それが証拠となります。
ただし、所持しているだけでは、窃盗を行なったたことを断定できません。
購入履歴が無いなど、窃盗以外で所持していた理由がないことを証明する必要があります。
窃盗の状況証拠
状況証拠とは、犯罪事実を間接的に推測させる証拠や、そのような間接事実を証明するものを指します。
証言や文書、物件によらず、背景や関係などから事実を推定し、裏付けできる根拠となるものです。
ここでは窃盗の状況証拠となるもの、解説します。
科学的な証拠は、窃盗事件の解決に大きな役割を果たします。証拠は、特定の人物がその場にいた可能性を示します。
例えば、被害者のデスクやロッカーから別の人物の指紋が検出されれば、関与の可能性を示すことができます。
ただし、指紋やDNAが残っていても、犯行に関与していない人物のものと判明する場合もあるため、他の証拠と組み合わせて犯行を立証する必要があります。
犯行現場を目撃した人物がいれば、その証言が状況証拠となります。ただし、目撃証言は、記憶違いや思い込みなどの可能性もあります。
そのため、目撃証言を鵜呑みにせず、目撃者にも丁寧に聞き込みを重ね、調査する必要があります。
証拠がない社内窃盗事件に対して探偵が実施できる調査
証拠がない状態で警察に通報してしまうと、犯人がその動きを察知して証拠を隠滅してしまうことも考えられます
ここでは、証拠がない社内窃盗事件に対して探偵が実施できる調査について解説します。
関係者への聞き込み
探偵の聞き込みが社内で実施する聞き込みよりも有効な理由は、社外からの客観的な視点で情報収集ができるからです。
社内で実施する聞き込みだと、思い込みや先入観があり公平な聞き込みができないことがあります。
しかし、探偵は客観的な視点で社内外の人物から事件当時のを状況や不審な点を聞き出します。
探偵の調査では、内部調査では得られなかった新たな証拠や手掛かりを発見します。
張り込みや尾行調査
張り込み調査とは特定の人物や場所を観察するための調査です。
犯人や犯行現場が特定できている場合は、一定期間、監視することで、不自然な動きを見つけられます。
犯人が特定されている場合や、犯行時間帯が特定できる場合は、張り込み調査を行うことで、証拠を押さえられる可能性もあります。
怪しい人物が特定した場合には、尾行調査を実施し不審な動きや犯行の協力者をを把握することも可能です。
データによる情報収集調査
犯人に調査していることが伝わると、犯人は証拠隠滅のためデータを削除します。
しかし、「デジタルフォレンジック調査」を実施すれば削除されたデータや改ざんされたデータを復元することができます。
デジタルフォレンジック調査とは、コンピュータやネットワークに関連する犯罪や不正行為を調査するための技術と手法を指します。この調査を実施すれば、データの復元のほか、ログの解析なども可能で、不審な挙動や違法行為を特定します。
このように、探偵の調査ではさまざまな視点から調査して、証拠収集することができます。
当探偵事務所なら証拠がない社内窃盗事件も調査可能!
社内窃盗事件は、迅速に対処しなければ被害は拡大し続けます。
しかし、社内窃盗事件が起きても証拠がないと、警察に被害届を提出しても捜査が進まないことがあります。
そのため、社内で発生した窃盗事件の犯人を特定し、法的な責任を負わせるには証拠が必要です。
当探偵事務所は張り込みや聞き込み、尾行、デジタルフォレンジック調査など実施して窃盗事件の証拠収集するための調査が可能です。
社内窃盗事件が発生したら、当探偵事務所にご相談ください。
証拠収集、再発防止の両側面から、調査プランを提案いたします。
ご相談内容が外部に漏れることはございません。
執筆/監修者:山内 和也2024年12月26日
探偵調査歴20年。国内外の潜入調査、信用に関する問題、迷惑行為、企業や個人生活での男女間のトラブルなど、多岐にわたる問題を解決してきました。豊富な経験と実績を基に、ウェブサイトの内容監修や執筆も行っています。