保険金詐欺とは、事故や怪我、天災による建物の損傷があったことを装い、保険金を不正に受給する詐欺行為です。
保険金詐欺にはさまざまなものがあり、手口も巧妙化しています。
この記事では、保険金詐欺の概要、保険金詐欺で立件できる犯罪、保険金詐欺が発生しやすい保険など解説します。
目次
保険金詐欺とは?
保険金詐欺は、虚偽の事故や損害を申告して不正に保険金を受け取る違法行為です。
この行為は違法で、社会全体に悪影響を及ぼします。
多数の保険金詐欺が起こると、保険料の値上がりを招くこともあります。
保険金詐欺は保険制度の根幹を揺るがす犯罪です。
保険金詐欺で立件できる犯罪
保険金詐欺という犯罪行為ではなく、詐欺罪に分類される違法行為です。
ここでは、保険金詐欺をした場合に適用される可能性のある犯罪について解説します。
虚偽の保険金を申請し、実際に保険金を受け取った場合は詐欺罪が適用されます。
詐欺罪は刑法246条に決められ、最高10年以下の懲役が科される厳しい罰則があり、社会的信用も失墜します。警察や保険会社の調査により、多くの保険金詐欺が発覚し、立件に至っています。
保険金詐欺が保険会社の調査などで発覚し、保険金を受け取る前に阻止できた場合でも、詐欺未遂罪が適用されます。
未遂に終わったとはいえ、詐欺未遂罪の刑罰は5年以下の懲役という刑罰が定められています。
保険金詐欺の具体的な事例
保険金詐欺には起こりやすい状況があります。
ここでは、保険金詐欺の具体的な事例について解説します。
偽装した事故の保険金請求
自動車事故を起こしたように見せかけ、実際はない被害について保険金を請求することや故意に事故を起こして保険金を請求することは、保険金詐欺にあたります。
基本的に保険金の支払いは、偶然起きた事故に関して支払われます。
そのため、偽装事故を起こしたり、わざと事故を起こしたりする行為は、保険金詐欺です。
具体的には、友人同士で事故を故意に起こして自動車保険を申請する行為や、わざと車にぶつかって保険会社から補償を受けるいわゆる「当たり屋」の行為が保険金詐欺にあたります。
通院日数を水増し請求する
この保険金詐欺は、発生した被害を偽装する行為です。
保険金は発生した被害を補償するために支払われます。
そのため、事故のケガが治癒しているのに通院を見せかける行為や、事故でケガをしていないのにケガをしたと偽装し保険金を受給する行為は保険金詐欺に該当します。
具体的には、実際には通院していないにもかかわらず、病院や整骨院に通院しているかのように書類を作成し、保険金を受け取る行為があげられます。
災害とは関係のない損傷の保険金を請求する
実際には、経年劣化などによる損傷を自然災害と偽り保険金を請求する行為も保険金詐欺に該当します。
例えば、経年劣化で損傷した自宅の屋根を、自然災害で損傷したと偽り保険金を損傷する行為がこの詐欺に該当します。
工事業者を装った違法な業者が、経年劣化による損傷も「火災保険の補償の対象」と保険金の申請を持ちかけているため、この保険金詐欺は増加傾向にあります。
当然、経年劣化は火災保険の対象ではないので、申請した場合、保険金詐欺になります。
探偵が実施する保険金詐欺の調査
探偵は下記のような方法で保険金詐欺の調査を実施します。
ここではその手順を調査します。
調査対象者の行動調査
行動調査とは尾行や張り込みなどを行ない対象者の行動を調査することです。
行動調査は、保険金詐欺の調査において非常に有効です。
例えば、事故による治療費を偽装し不正に保険金を受けとっている場合、行動調査を実施すれば、通院やケガの実態を明らかにできます。
ケガや通院の実態がないことが明らかになれば、保険金詐欺として立件できます。
この際、証拠として対象者の写真や動画を撮影します。
具体的には、下記のような調査を行ないます。
- 対象者の自宅の出入り監視
- 対象者が受診する日の病院の出入り監視
- 対象者の普段の行動監視
聞き込み調査
申請した内容の虚偽の有無に関する調査には、聞き込み調査が有効です。
聞き込み調査とは、事故に関与した人や周囲の人々、事故の目撃情報を収集し、事故の真相や被害者の実態を明らかにします。
例えば、事故を偽装して保険金の虚偽申請が疑われる場合に、事故現場を聞き込みすれば、新たな目撃証言を得られる可能性があります。
目撃証言があれば、虚偽の申請を明らかにできる可能性があります。
具体的には下記のような調査を行ないます。
- 周囲への聞き込み
- 事故現場での聞きこみ
- 対象者のSNSの確認
当探偵事務所が交通事故の保険金詐欺を調査した事例
ご依頼者は保険会社で長期通院をしている方の保険金詐欺を疑っての調査依頼をいただきました。
対象者は事故で重症を負い、半年間病院に通院しているとのことでした。
当探偵事務所は行動調査を実施しました。
歩けないほどの怪我の状態を負って、まだ治癒していないと申請していた依頼者ですが、けがは日常生活を送れるほど回復していたことがわかりました。
また、周囲への聞き込みによると、ケガをしていたのは事実のようですが、申告よりも軽度ということも発覚しました。
当探偵事務所は、問題なく日常生活を送る対象者の動画と写真を証拠としてご依頼者である保険会社に提出しました。
その後、保険会社はその証拠をもとに本人に申請を止める伝えた結果、申請が止まったようです。
無料相談窓口
保険金詐欺は不正に保険金をだまし取る、詐欺罪が適用可能な犯罪行為です。
事故があったことを見せかける手口、治療費を水増ししてする手口など保険金詐欺にはさまざまなものがあります。
保険金詐欺が疑われる場合に探偵が調査を行なえば、詐欺の証拠収集ができます。
当探偵事務所は、保険金詐欺の調査に精通した探偵事務所です。
ご依頼者の状況にあった、調査を実施いたします。
保険金詐欺を疑われる事象があったら、ご連絡ください。
無料相談にて、ご依頼者の状況お聞かせください。
執筆/監修者:山内 和也2024年12月2日
探偵調査歴20年。国内外の潜入調査、信用に関する問題、迷惑行為、企業や個人生活での男女間のトラブルなど、多岐にわたる問題を解決してきました。豊富な経験と実績を基に、ウェブサイトの内容監修や執筆も行っています。