精神疾患を抱える家族が突然行方不明になった場合、どう対処すれば良いのでしょうか?
この記事では、精神疾患の特性や失踪のリスクを理解し、行方不明や失踪時の具体的な対応方法を紹介します。
専門家のアドバイスや実際の事例を基に、冷静かつ迅速に対応するためのポイントを解説します。
家族の安全と心の平安を守るために、ぜひご覧ください。
執筆/監修者:山内 和也2024年5月30日
探偵調査歴20年。国内外の潜入調査、信用に関する問題、迷惑行為、企業や個人生活での男女間のトラブルなど、多岐にわたる問題を解決してきました。豊富な経験と実績を基に、ウェブサイトの内容監修や執筆も行っています。
目次
失踪の原因について
令和4年は、統計の残る昭和31年以降で最少を記録した令和2年から2年連続で増加し、8万4,910人(前年比5,692人増加)となりました。(※1)。
原因・動機別では、疾病関係が24,719人(構成比29.1%)と最も多く、このうち認知症又はその疑いによるものは18,709人(構成比22.0%。)となります。
また、何らかの病気を抱えた行方不明者の多くは、自らの意志で失踪をすることが多いと見られています。
特に精神疾患を抱える方々には、「孤独感」「病人扱いされること」「味方がいないと感じる」などの悩みがあり、「誰かに狙われている」といった妄想を抱くこともあります。
悩みを打ち明けたり相談したりできても、「精神的に病んでいると思われる」「信じてもらえない」などの理由から自暴自棄になり、死に場所を探して家を飛び出すこともあります。
自殺の可能性がある場合は、早期捜索が必要です。
※1:出典:警察庁HP『令和4年における行方不明者の状況』
1- パニック障害・不安障害の失踪について
パニック障害・不安障害は、突然理由もなく動悸やめまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震えなどの発作が起こり、日常生活に支障をきたす状態です。
100人に1人がパニック発作を経験すると言われており、決して珍しい病気ではありません。同様の発作が再発する不安がさらなる不安を引き起こし、症状が悪化することもあります。
その結果、外出を避けるようになり、家に引きこもることが増え、憂鬱な気分が強くなる「うつ病」の状態に陥りやすくなります。
日常生活や社会生活を過度に制限されないよう、早期治療が重要です。
パニック障害・不安障害を患う方の行動パターン
- 人混みや公共の場を避ける
- 同じ場所や人と過ごすことを好む
- 発作が起きるのを恐れて、常に安全策を講じる
- 急な予定変更を嫌う
- いつもと違う環境に行くのを嫌がる
2- 統合失調症を患う方の失踪
統合失調症は、幻覚や妄想が特徴の精神疾患です。
これにより、日常生活や社会生活において人との交流が難しくなり、感覚や思考、行動が歪んでしまいます。
また、自分の状態を客観的に振り返ることが困難になります。
この病気は慢性的に進行し、幻覚や妄想が強くなる急性期が現れることがあります。
しかし、新しい薬や心理社会的ケアの進歩により、初発患者の約半数は完全かつ長期的な回復が期待できるようになりました。
かつては「精神分裂病」と呼ばれていましたが、現在は「統合失調症」という名称に変更されています。
統合失調症を患う方の特徴
- 嫌がらせをされているという妄想を抱く
- 自宅が監視されていると感じ、窓を閉め切る
- 自分の考えに固執し、孤立してしまう
- 近隣から電波攻撃を受けていると主張する
- 他人を敵だと信じ込んでしまう
3- PTSDを患う方の失踪
PTSDは、外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorder)の略です。
犯罪被害、虐待、交通事故、いじめなど、通常の範囲を超えたストレス体験の後に発症する病気で、強い恐怖感や無力感、悪夢などの症状が現れます。
PTSDを患う人の半数以上が、うつ病や不安障害を併発していると言われています。
PTSDと失踪の関係性
PTSDの症状の一つに、解離性遁走(とんそう)があります。
これは、学校や職場で極度のストレスを抱え、誰にも相談できない状況が続いた結果、突然失踪してしまい、その行動についての記憶を失うことがあるため、非常に危険です。
PTSDを患う方の行動パターン
- 突然、過去のつらい記憶がフラッシュバックする
- 常に緊張状態が続き、リラックスできない
- トラウマを思い出させる場所や状況を避ける
- 異なる人格が現れることがある
- 抑うつ状態に陥りやすい
失踪が発覚したときの対応
警察に捜索願を出す
捜索願とは、行方不明者の捜索を警察に依頼するための書類です。
住所や行方不明になった場所を管轄する警察署に提出します。
捜索願を出すことで、警察は聞き込みや情報収集をスムーズに行なえるようになります。
事件性が高い場合や命に危険が及んでいる場合、警察は積極的に捜索活動を行います。
正式には「行方不明者届」と言いますが、「捜索願」という呼び方も一般的に通用します(平成22年4月1日から家出人は行方不明者、捜索願は行方不明者届に統一)。
行方不明者届は、家族や同居人、恋人、雇用主など、行方不明者と親密な関係にある人だけが出すことができます。
同居人や恋人、雇用主の場合、関係の期間や親密度によっては届出が受理されないこともあります。
行方不明者が統合失調症などの精神疾患を抱えている場合、「特異行方不明者」として捜索が速やかに行われます。
しかし、警察の捜索活動が必ずしも成功するとは限りません。
行方不明者の約8割は1週間以内に発見されますが、1ヵ月を過ぎると発見率は約10%に下がります。
警察の捜索だけで不安な場合、探偵への依頼も検討しましょう。
捜索願と失踪届の役割の違い
行方不明者を探したいときは警察署に「捜索願」を出し、死亡の証明が必要な場合は市役所に「失踪届」を出すと覚えておきましょう。
失踪人の捜索方法
まずは、次の私物が残っているかを調べます。
- 身分証証明するもの(運転免許証、健康保険証、パスポートなど)
- 所持金(お金に換える可能性のある私物を含む)
- 通信機器(携帯電話、パソコン、タブレットなど)
- 金融情報(預金通帳、クレジットカードなど)
- 移動手段(自動車、自転車など)
私物を持ち出しているかどうかを調べることは、衝動的に家を飛び出したかどうかを判断するだけでなく、何らかの事件に巻き込まれた可能性を探る上でも重要です。
事件に巻き込まれた可能性がある場合は、警察に捜索願を提出することが必要です。
徒歩で家を出ていたときの調査方法
精神疾患の方が家を出た後、友人や知人を頼るケースは少ないと考えられます。
そのため、自宅周辺で一人で立ち寄りそうな場所や隠れそうな場所を徹底的に探すことが重要です。
具体的には以下のような場所です。
- 自宅から近い公園や森、橋の下
- 本人がよく行っていたお気に入りの場所
- 商業施設やマンガ喫茶、ネットカフェ(所持金がある場合)
- 駅やバス停(聞き込みを行う場合)
これらの場所を実際に歩いて、目撃情報を集めます。
すぐに見つかることもありますが、何らかの手がかりが残されていることもあります。
特に注意が必要なのは、住まいが山間部などにあり、山が近い場合です。
失踪者が山に隠れると、電波が届きにくくなり、バッテリーが切れると連絡が取れなくなります。
私たちは、山岳捜索やドローンを使った調査まで幅広く対応しています。お気軽にご相談ください。
車に乗って家を出たときの調査方法
所持金があれば給油ができるため、冷暖房を使って車中泊が可能です。
また、コンビニで食料を調達することで、季節を問わず長期間にわたり車内で過ごすことができます。
さらに、携帯電話などの通信機器の充電もできるため、車内で自分だけの空間を作り出すことが一般的です。
精神疾患の症状によりますが、基本的な探し方としては、人目につかない静かな場所を優先して捜索することが重要です。
オンライン調査
インターネットを活用して行方不明者を探す調査方法です。
SNSのアカウントを特定したり、インターネットで家出や失踪した人の情報を拡散したり、情報提供を求めたりして行方を捜します。
例えば、失踪人がSNSに投稿した画像を分析して、居場所を特定できるケースもあります。
これらの調査方法は、家族が行方不明者を探す際にも有効です。
失踪人の発見場所
- 24時間営業のネットカフェやファミレス、宿泊施設
- 街や失踪サイト上で知り合った人の自宅
- パチンコ店の駐車場、高速パーキング、道の駅
- 公園、自宅付近、大型商業施設内
- 友人、知人、恋人の自宅
精神疾患を患う方の行方不明相談事例
「電波が…」と言い残して妻は家を出て行った
統合失調症の方には「陽性症状」と呼ばれる独特な症状があります。
例えば、「誰かにいやがらせをされている」「部屋を盗聴されている」などの妄想です。
最近ニュースで騒がせた「電波攻撃」なども症状の一つになります。
私どもが依頼を受けた失踪人捜索も、この「電波に襲われている」状態でお悩みの主婦の方でした。
家出した親の口癖は「誰かに狙われている…」
「狙われている」「監視されている」といって、自宅から外出しなくなった息子が突然家出してしまった。
インターネットの履歴を見てみると「テクノロジー犯罪被害者」の集まりみたいなものに参加した可能性があった。
ツイッターなど情報収集を行ないテクノロジー犯罪被害者の会の活動場所を特定し、本人を発見したケースもあります。
現実をたたきつけたら家出してしまった。
2年ほど前から、近隣住民から嫌がらせをされているといい、何度も警察に相談しに行ったり、防犯カメラをつけようと妻から相談されていました。
近隣とのつきあいも長く、関係もよかったことから嫌がらせをすることは考えられなかった。
いつもはよき理解者でいようとしていたが、こちらも精神的にきつくなり「被害妄想で精神的な病気だから病院にいこう」といったら、家を飛び出してしまった。
探偵の無料相談
公的機関や非営利団体の支援を受けても、自力で解決することが難しい場合は、探偵に相談することも大切です。
失踪した人を探すことは、精神的な負担や体力的な負担がかかります。
捜索にはお金と時間がかかり、結果が出ないと費用対効果が見合わなくなることもあります。
失踪人を探す経験豊富な調査員がいる探偵社に相談してみてはいかがでしょうか。きっとお力になれると思います。
失踪人調査を探偵に依頼したときの費用
調査料金相場をチェックするうえで重要なのは、「調査を実地する時間」と「調査員の人数」です。
失踪人調査では、調査員1名8時間(1日)あたりの人件費が設定されており、この費用はおよそ30,000円~100,000円と、それぞれの探偵事務所で人件費の金額が違います。
これらの料金相場を調べてみて、相場の金額よりも明らかに料金が高くなっていたり、異常に安く設定されていた場合は注意が必要です。
ファミリー調査事務所では、失踪人を早急に見つけることを最優先していただくために、専門家にしかできないこと、ご依頼者にしかできないことを明確にすることにより、必要な分だけの調査費用を算出させていただきます。
また、事前に予算をお決めになっている方にも、その予算内でできる効果的な調査をご提案いたしますのでお気軽に申し付けください。
家出(失踪)人捜索調査料金 | 1名1時間 8,300円 (成功報酬プラン有) |
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最善の解決策が見つかるまで何度でも無料
弊社の無料相談では、調査の専門家が問題の対処方法をアドバイスしたり、調査の手続きをご説明したりしております。
1回のご相談で解決しない場合は、複数回ご相談いただいて構いません。
また、調査が必要かどうかわからない問題も、まずは相談してください。
お悩みを打ち明けていただくことが、大きなトラブルへの発展を防ぎ、問題を解決する第一歩になるのです。
失踪人に関する無料相談は、お問合せフォーム・電話・メール・LINEにてお問合せください。
土日・祝日問わず、24時間お受けしていますのでお気軽にご相談ください。
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