2018年、産業用や船舶用の配電制御システムの製造・販売する大正12年創業の老舗メーカー「寺崎電気産業」を、ある不祥事が襲いました。
当時の銅材買い付け担当事務所員が、仕入れた銅材などの原材料の転売行為をはたらき、直近3年間で約2億1000万円の利益を得ていたことが発覚。
この元社員は原材料の発注や出入庫管理などを1人で担当。実際に使用した原材料に、転売した原材料を水増しした量を出入庫管理システムに入力したうえで着服行為を行なっていました。
同社は、社内調査委員会を設置し、同社員を懲戒解雇処分、業務上横領罪で刑事告訴しました。
こうした行為は顧客や取引先だけではなく、著しく会社イメージを損ないます。
この問題を「コーポレートガバナンス(企業統治)」の観点として考えてみたいと思います。
目次
1- 「資材や廃棄物不正転売・横流し」とは
発注・在庫管理を1人に任せっきりはNG
先の「寺崎電気産業」での不祥事の場合、資材の発注、入出庫などの管理を1人だけに任せてはいけないという事例です。
担当事務所員に重要な業務を任せきりにし、“替えの利かない”状態にすれば、長年、不正が発覚せず、結果として会社に損害を与えてしまいます。
担当事務所員を複数人配置し、チェック機能をはたらかせる、厳格な棚卸しを適時行なう、抜き打ち監査を行なう、管理用のデータを逐次監視するなどの体制を整えることは不正防止対策として必須となります。
「物品」を扱うあらゆる会社では“必ず起こり得ること”として考える
「国内企業の不正実態調査」のレポート(2019年)によると、不正が発覚した企業の半数が「金銭・物品の着服や横流し」であることがわかっています。
製造・卸売・小売りなど「物品」を扱うあらゆる事業では、横流しや不正転売が行なわれることを想定して防止策を講じていくべきでしょう。
2- 「資材や廃棄物不正転売・横流し」の内幕
不正転売・横流しを許す脆弱なシステム
資材の発注、入出庫について、これらの全てを事前に適量を発注することは、製造現場での事情が異なる場合が多く、困難を伴います。
これにより、想定よりも多く発注し、資材が残っても、データには記録されません。
これが横流しがたやすく行なわれる温床となっています。担当事務所員のさじ加減次第で不正行為が起きるのです。
大手企業では、こうした不正行為をなくすためのシステムが導入され、資材の量にかかわらず、システムを介しなくてはならない仕組みが構築されていますが、中小・零細企業では、まだまだ現場任せになっているのが現状です。
産廃物・売れ残り品・在庫品でも同様の現状が…
先の「寺崎電気産業」のような製造業以外でも「不正転売・横流し」が行なわれています。代表的なものが「産業廃棄物」です。
自治体がリース契約していたサーバーに付属するハードディスクドライブがネットオークションに出品され、個人情報流出の可能性も含め、事件化しました。
また、食料品の期限切れ商品や、洋服店の売れ残り商品や在庫品などが、産廃業者、場合によっては店員によって、ネットオークションやフリマアプリを通じて不正転売される事例も確認されています。
3- 「内部からの社員統治」には限界も…
抜け穴だらけの“属人的”な管理体制
日本企業の長年の商慣行として、“性善説”に基づいて、社員管理・商品管理がなされてきました。
しかしながら、バブル崩壊以降、日本企業がその体力を失い、リストラの嵐が吹き荒れるなかで、明文化されなくとも信頼関係を築いていた労使関係も崩れました。
就業員が、容赦なく仲間を切り捨てる会社を信用しなくなったのです。
また、直近30年にわたり、G8諸国の賃金推移のデータでは、日本だけが賃上げの波に取り残され、横ばいという調査結果も出ています。
これでは、従業員の立場からすれば、「会社への忠誠心」よりも「目先のカネ」に魅力を感じてしまうのも無理はないといえるでしょう。
信用ならない?従業員や取引先
悲しい現実ではありますが、以上のような土壌を鑑み、従業員や取引先を“疑ってかかる”ことで、限定された個人による管理体制に頼らないルール作りや不正転売・横流し予防策を講じていくべきでしょう。
4- もしトラブルになったら…
もちろん社員教育が第一
このような不正転売・横流しを予防するには、従業員をしっかりと教育していくことが第一です。それでも「人」が管理する以上、問題は起きてしまいます。
その他、取引先との資材出入庫に関しては「データのログ管理」、商品などに関しては「タグ管理」、産廃物に関しては「産業廃棄物処理業・処理施設許可取消処分情報」などが一例として挙げられますが、いずれも100%の安全を保証するわけではありません。
不正社員を洗い出すには
もし、社内で不正転売・横流しが明らかになれば、まずは社内で犯人探しを始めるでしょう。
しかしながら、あまり大っぴらに社内調査をすれば、労使間の信頼関係にヒビが入るだけではなく、従業員同士の人間関係にも悪影響を及ぼす可能性もあります。
メディアやSNSなどで不祥事が明らかになれば、顧客や取引先からの信頼も失いかねません。
できれば、秘密裏に調査を始め、不正をはたらいた従業員の処分まで進めたいでしょう。
5- 探偵が行なう不正実態調査
不正転売や横流しの証拠収集を探偵に依頼した場合、探偵は複数の調査手法を駆使して証拠を集めます。
まず、社内関係者への聞き込み調査や関係先への情報収集を通じて、不正行為の疑いがある社員や取引先を特定します。
次に、対象者の行動を把握するため、慎重な尾行や見張りを行ない、取引現場を押さえ、不正行為の証拠を収集します。
さらに、企業内の内部告発者や情報提供者からのヒアリングをもとに、具体的な不正手口や関連人物について情報を集めます。
また、対象者が使用するパソコンやスマートフォンの通信記録、クレジットカード利用履歴、関連する文書や取引記録の精査を行ない、不正行為を立証するための物的証拠を収集します。
これにより、不正行為の全貌が明らかになり、企業は適切な対応を講じることが可能となります。
不正調査の結果得られた全ての情報と証拠は、詳細な報告書にまとめ、ご依頼者にご報告いたします。
6- 法人向け不正調査の料金
法人向け不正調査の費用は、調査の規模や複雑さによって大きく異なります。
例えば、社内の一部署における不正の疑いに関する調査であれば、比較的短期間で完了する場合もあり、費用を抑えることができます。
しかし、複数の部署にまたがる大規模な不正や、海外との取引が絡む複雑な不正の場合、調査期間が長期にわたり、費用も高くなる傾向にあります。
当事務所では、被害の状況を詳しくお伺いした上で、最適な調査プランとお見積もりを無料にてご提示しております。
ご予算に応じて調査内容を調整することも可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。各調査項目の料金プランについては、下記のリンクをご参照ください。
依頼料金の取り決め
- 調査期間(日数、時間数)
- 事前情報の年数の経過
- 事前の情報量・信憑性
- 調べたい項目の種類
- 取得する情報の種類
- 必要な証拠の種類
- 不正調査の難易度
- 調査対象者の人数
- 調査員の人数
※調査時にかかる諸経費(調査に必要な飲食費・滞在費・移動交通費等)は別途ご請求させていただきます。
7- 従業員の不正行為に関する相談窓口
従業員による不正行為の告発先
不正行為を行なった従業員が存在したことがわかった場合、もしくは不正が会社ぐるみではたらいていた場合も含め、以下のような告発先があります。
企業の不祥事による消費者の被害拡大を防止するために通報する行為は、法律上、正当な行為として解雇などの不利益な取り扱いから保護されると明記されています。
加えて、企業にとっても、事件の早期把握と自浄作用により、企業イメージを維持・向上させることができる制度として制定されています。
少しでも悩んでいるならお電話ください
常態化する不正転売・横流しは、企業にとって深刻な損失をもたらします。
売上減少、ブランドイメージの悪化、顧客との信頼関係の崩壊など、多岐にわたる悪影響が懸念されます。
また、社内不正は組織全体のモラル低下につながり、企業文化そのものを蝕む可能性も秘めています。放置すれば、企業の存続に関わる事態に発展しかねません。
それでも解決が難しく、訴訟問題に発展しそうなほどのトラブルに巻き込まれたときは、不正転売・横流しなどの従業員による不正行為の証拠収集の専門家であるファミリー調査事務所にご相談ください。
ご相談・お見積りは何度でも無料です。ご不明な点やご心配なことがございましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。
お問い合わせは、お問い合わせフォーム、お電話、メール、LINEにて、24時間365日いつでも承っております。

執筆/監修者:山内 和也2025年1月15日
探偵調査歴20年。国内外の潜入調査、信用に関する問題、迷惑行為、企業や個人生活での男女間のトラブルなど、多岐にわたる問題を解決してきました。豊富な経験と実績を基に、ウェブサイトの内容監修や執筆も行っています。