当事務所スタッフが「補助金セミナー」に潜入調査!
業種を問わず中小企業や個人事業主に向けた給付金や補助金セミナーが開催されています。
さて、どのような内容でおこなわれているのでしょうか。
執筆者:湯出2023年11月24日
ニッチな情報収集と潜入調査が得意。ポジティブな姿勢と忍耐力で問題解決に全力を注ぎます。
目次
潜入調査「給付金・補助金セミナー」
今回受講したセミナーは、検索サイト上位に掲載されていた無料の「個人事業主向けセミナー」を予約しました。
場所は東京駅八重洲口近くの大きなビル内にある貸しテナントで、参加者は老若男女30人ほど受講する様子です。
入場時に個人情報の記入があり、氏名・年齢・住所・電話番号などのほか、現在の仕事内容に関する情報やこれから起業したい「業種・職種」の項目があります。
会場の雰囲気は明るく好印象で、ソフトドリンク飲み放題の特典つきです。
セミナー中は「録音・撮影禁止」
開催中は「録音・撮影厳禁」と警告があり、発覚した場合は即退場と厳しいルールが設けられています。
調査のため受講内容を録音する予定でしたが今回は断念しました。
「自称」中小企業診断士の登場
本日のメインイベント、「自称」中小企業診断士のコンサルタントが登壇です。しかし「自称」部分に違和感があります。
お話の内容は、各自治体の「給付金・補助金」に加えて「助成金」に至るまで、その募集状況や採択例などを説明。
その後、募集条件が「該当しない人」に対して退席を促しました。
セミナー主催者は「ここからが本当のメインイベント!」なのです
「自称」中小企業診断士のお話が終わり、セミナー主催会社の営業担当者が4~5人ほど登場しメインイベント「有料会員へ勧誘」が開催です。
お話で紹介されたサービスの有料会員の入会料は30万円で、内容は国や自治体から出される給付金、補助金や助成金関連の情報をメール配信されたり、コンサルタントを受けられるようです。
騙されたり狙われるのは
当事務所スタッフは「個人事業主のネット通販(ECサイト)運営」という設定で参加していたので、いい“カモ”と思われ猛烈な営業攻勢を受けました。
現在は支払いができないことを伝えると「クレジットでの分割払いも可能」と、すぐに決済ができそうな支払う機会を伺ってきます。
どのタイミングでも、怪しさや危険を感じたら早急に会場から退出しましょう。
「情報商材屋」が無くならない理由
説得力のある発言していますが、セミナー主催者の発信する内容は誰でも確認することのできる「国や自治体から発表された情報」なのです。
国や自治体の広報不足を逆手に取った「情報商材屋」
国や自治体は、給付金・補助金・助成金の情報を発表しても、大きく告知されることはありません。
税金や雇用保険から出されるお金に対して、さらに広告費を割くほどの余裕はないですし、加えて、自治体の場合、このような情報は議会会期中に突然採択され施行されるケースもあります。
トラブルを防ぐために
クーリングオフ適用可能です
セミナー後に悪徳業者と気付いたり、冷静になり解約したいと気持ちが変わった場合は「契約日を含めて8日間であればクーリングオフが可能」です。
これは「特定商取引に関する法律」によって、こういう形のセミナー商法も同法の中で「訪問販売、電話勧誘販売、特定継続的役務提供」に該当します。
「詐欺」に加わらないために
不正受給が発覚すると以下のようなペナルティが課されます。
- 給付金・補助金・助成金の返還
- 事業主の名称、代表者氏名、事業所の所在地、概要、不正受給の金額、不正内容の公表
- 最低でも5年間は給付金・補助金・助成金の申請が不可能
- 詐欺罪で逮捕・刑事告発
コロナ禍によって持続化給付金詐欺が横行し、逮捕者が続出したことからも注意が必要です。「自分は大丈夫」ということは絶対にありません。
労働局に告発しよう!
こうした現実に、行政も放置しているわけではありません。詐欺業者が提供するASP(アプリケーションサービスプロバイダ)についての取り締まりを強化すべく、以下のような啓発も行っています。
《不正受給防止対策を強化》
※東京労働局のページへ移動します
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