長らく続いていたコロナ禍も終わり日常が帰ってきました。
しかし飲食業界は、営業継続のため業態転換を余儀なくされたお店も少なくありません。居酒屋チェーン大手の会社が、その経営の軸足を「焼肉」に大きくシフトチェンジした例はその代表的なできごとでしょう。
もし急に自宅の近所へ「焼肉屋」が開店したら?
営業形態の変更で近隣住民から飲食店側へクレームも増えているようです。
事例として、近年増加している「焼肉屋」の悪臭トラブルについてご紹介いたします。
執筆者:湯出2024年2月5日
ニッチな情報収集と潜入調査が得意。ポジティブな姿勢と忍耐力で問題解決に全力を注ぎます。
目次
「いきなり隣に焼肉屋」その時アナタは…?
巨大な排気ダクトから放出される匂いと煙
飲食業界が「焼肉」にシフトチェンジしてきた要因として挙げられるのが「店内の換気のしやすさ」でしょう。
店内はテーブルごとに大きな吸気ダクトが付き、煙を吸い上げるだけではなく店内の徹底的な換気が必須だったコロナ禍においてお客さまに安心感をもたらしました。
前出の大手チェーン店は思い切った業態転換が功を奏し、業績のV字回復を果たしています。
しかし、近隣のお店が突然「焼肉屋」になってしまったらどんなことが起きるでしょうか。当然ながら店内の吸気ダクトは、店外に設置された巨大な排気ダクトから煙や匂いとともに放出されることになります。
匂いと煙で生活が一変!
このお店は業態転換が成功し、ファミリー層も含め来客が増え、「おいしくて安い」と話題のお店になりました。また、ランチ営業も始めたため、昼から夜まで営業しています。
このことが原因で、周辺住民の生活を一変させることになります。営業時間が伸びたため常に排気ダクトから煙や匂いが排出されます。
近隣住人は洗濯物を外に干せなくなるどころか、換気のため窓を開けるだけで匂いが家の中に入り込みカーテンまでにも焼肉の匂いが染みつく事態となったのです。
「匂い・煙」だけではない大迷惑行為も!
深夜まで酔客の大声、ゴミ処理、そして…
このように、生活に支障を来す事態になり周辺環境にも変化が生まれました。
焼肉屋といっても、夜はお酒が入る客がほとんどで、深夜に至るまでその大声が近所に響き渡り、閑静だった環境が乱れ始めます。
さらに、お店から出る生ゴミを収集する処理業者が来る早朝まで、店外に袋詰めのまま放置されているため、エサを求めるカラスが集まるようになってきてしまいました。
そして、時には「食べ放題コース」で食べ過ぎた客の嘔吐物、酔っぱらいの立ち小便までもが目につくようになり、居住環境が一気に悪化したのです。
迷惑を被っているのは自分の家だけはなかった!
このお店のご近所の人の話によると、コロナの影響でお店を手放した店舗を居抜きで借り受けたオーナーが、新たにオープンさせたことが発覚しました。このオーナーは、焼肉屋の経営は初めてとのことでブームに乗って始めたとも。
複数の店舗を経営しているので集客力には優れているようですが、焼肉屋の存在が「地域にもたらす悪影響」にまでは、気を配れていなかった様子です。
設置されている排気ダクトは、以前に入っていた飲食店の換気扇口を改造したもので、横に向かって排気される形になっています。内装工事の費用を安く上げようとした結果でしょう。
この状態を問題視していたのは自分だけではなく、ご近所も同じような嫌な思いを抱いていたことを知り、話し合いの場をつくることにしました。
しかし、この店の雇われ店長は「営業許可を所得している!」の一点張りで、こちらの被害には耳を傾けようとしません。
該当店舗から放出される煙や匂いの影響を可視化するために、調査会社へ「臭気判定」を依頼することが解決へ近づきます。
目に見えない悪影響を徹底調査!
「匂い・煙」に加え居住環境の悪化も調査
調査結果は、煙や匂いの臭気判定に加え、排気ダクトの設置状況やゴミ処理状況の写真を撮影していただき、それらを証拠として保健所や警察、自治体に対応を依頼しました。
その後、オーナー側から謝罪の言葉とともに、排気ダクトを上に向ける工事などを進める取り決めも得ました。
そのほかにも、店の周りで騒ぐ酔客もいなくなり居住環境も大きく改善しました。
被害を受けている仲間を「巻き込むこと」も重要
こうした悪臭や騒音などのトラブルの被害者は、あなた一人だけではなく周りの世帯でも迷惑に感じているケースが多いのです。同じ悩みを共有して問題に取り組むことが、解決への第一歩となります。
特に都市部では、住宅街と飲食店街の境目がないためこのようなトラブルが発生する傾向があります。
もしトラブルに発展したら
各自治体の生活課(各自治体により名称は異なります)に訴えるのもひとつの手です。
同じお店による被害の報告が数多く寄せられていれば、職員が働きかけをしてくれる可能性もありますので、被害者同士で連携しての集団訴訟提起などの手段も考えられます。
匂いや煙のみならず、事業者による居住環境の悪化については、こちらの相談窓口へご相談ください。
それでも解決が難しく、訴訟問題に発展しそうな問題に巻き込まれたときは当事務所へご相談ください。被害を受けている証拠として必要な情報を揃える際のご協力させていただきます。
異臭・悪臭のご相談ください
ご協力できる調査内容
当事務所が行なう臭気に関するサポートは、主に「継続した臭気測定」「臭いの出所特定」「近隣の素行調査」などさまざまです。
このようなケースに当てはまる場合は一度ご相談ください。
- 匂いの出所の検討がつくが証拠がない。
- 匂いについてお店に伝えたら「嫌がらせ」に発展した。
- 匂いについて根も葉もない噂が近隣に広まっているが事実無根である。
匂い・煙トラブル解決しましょう
近隣で「匂い・煙」問題が浮上した際、悩み事が「調査が必要かわからない」というような内容でも問題ございません。
さらなる近隣トラブルへ発展しないために、現在の状況悪化を食い止めることが大切です。
当事務所では無料相談を行なっておりますので、問題の対処方法や調査の手続きをご説明いたします。
あわせて、アフターサポートを行なっておりますので、解決後に現れた問題にも対応いたします。
ご相談は、電話、メール、LINEで24時間受付しております。トラブル解決へご一緒に向かいましょう。