- 勤務態度が著しく悪い
- 入社書類に詐称があり能力が低い
- 同じ部署内で社内不倫が発覚した
上記に該当する社員を解雇したいが、現代の労働基準法では厳しいのが現実。
規則・ルールに則り正しく解雇をすれば、不当解雇と騒がれても怖くありません。
解雇の仕方を間違えると裁判にまで発展し、お金と時間が無駄に消えていくリスクも。
当記事を読み、しっかり対策した上で行動していただければ、上記のリスクを回避できます。
続きを読んでヒントにしていただければと思います。
執筆/監修者:山内 和也2023年2月16日
探偵調査歴20年。国内外の潜入調査、信用に関する問題、迷惑行為、企業や個人生活での男女間のトラブルなど、多岐にわたる問題を解決してきました。豊富な経験と実績を基に、ウェブサイトの内容監修や執筆も行っています。
目次
問題社員の解雇方法
前提条件として、解雇事由が盛り込まれた就業規則を作成しておくことをおすすめします。
問題のある正社員を解雇する前に、社内でできる対策を全て講じておくことがポイント。
対策をした上であればリスクなく問題社員の解雇が可能になります。
問題社員といっても、いくつかあります。
- 破産
- 健康状態
- 労働能力
- 懲戒事由に該当する非行
など。
各問題項目について詳しくお伝えいたします。
【問題1】破産
従業員が経済的な問題を抱えていた場合、解雇することは可能でしょうか?
答えは不可能です。
破産や借金は雇用している正社員の問題で、会社には一切関係のない事象だからです。
上記のことを無視して解雇してしまうと、「不当解雇だ!」と騒がれ、多額のお金が出て行ってしまう可能性も。
【問題2】健康状態
健康状態に問題があり、労働契約を継続するのが難しい場合は解雇できる可能性があります。
療養期間が長かったり、回復の見込みがない場合が該当。
傷病休職制度が定められている場合は回復を待つことをおすすめいたします。
【問題3】労働能力
能力不足や業務内容に合わないと就業規則に定められている場合、解雇できる可能性があります。
能力不足の場合、指導・改善の期間を設けて、あなたの会社基準に則っていない証拠があれば、正当な解雇に該当します。
【問題4】懲戒事由に該当する非行
始末書や記録の残る書面での注意・警告の証拠を残しておけば、解雇できる可能性はあります。
ただし、懲戒事由に該当することがあってもすぐに解雇してしまうと、不当解雇と騒がれる可能性がありますのでご注意を。
- 遅刻癖があったり、就業態度に問題のある正社員の証拠と記録を残しておく
- 労働基準監督署署長の解雇予告除外認定を受けておきましょう。
社員解雇で確認すべき、更に詳しいポイントをお伝えいたします。
社員解雇で確認すべき3つのポイント
あなたの会社に、正当に解雇できる証拠、就業規則が揃っていますか?
確認をせずに解雇してしまうと、無効となる可能性があります。
重要な内容になりますので、詳しくお伝えいたします。
【ポイント1】就業規則等の確認
解雇事由を記載した就業規則の設置を、労働基準法、労働基準法施行規則で推奨しています。
解雇を正当に行うためには、あなたの社内の体制を整えておくことをおすすめします。
- 労働基準監督署の届け出はあるか
- 従業員の意見聴取しているか
- 法律に則っているか
【ポイント2】解雇方法の選択
後述しますが、解雇には2種類あります。
- 普通解雇
- 懲戒解雇
解雇する場合は、どちらかを選択する形になります。
懲戒解雇の方が、退職金が受給できないなど、解雇される社員のダメージは高い。
【ポイント3】解雇予告の実施
労働基準法20条1項にあるように、解雇する30日前に予告する義務があります。
即時解雇したい場合は解雇予告手当の支払いが発生します。(労働基準法20条2項)
ただし、労働基準監督署に解雇予告除外認定を受けていれば、解雇予告手当の支払い義務は免除。
- 経歴詐称
- 競合他社へ転職した
- 職場の風紀を著しく乱した
- 無断欠勤が続き督促しても未対応
- 社員が会社のお金を横領、盗んだ
- 遅刻、欠勤を注意しても改善しない
円満に正社員を解雇する方法
円満に解雇できれば、何も問題はありませんが、厳しいのが現実。
しかし、まったくできないわけではありません。
合法的に解雇するためには、いくつか条件をクリアする必要があります。
これから詳しく解説いたします。
解雇禁止事項に該当しない【労働基準法】
解雇するにあたって四要件を満たしているのか?
整理解雇には、下記4つの判断基準があります。
引用元:【解雇】整理解雇|労働政策研究・研修機構整理解雇=経営上の理由による人員削減のための解雇の効力は、①人員削減を行う経営上の必要性、②使用者による十分な解雇回避努力、③被解雇者の選定基準およびその適用の合理性、④被解雇者や労働組合との間の十分な協議等の適正な手続、という4つの観点から判断される。
労働契約法第16条など
引用元:解雇(労働契約法第16条)業務上負傷または疾患によって休業する期間及びその後の30日間中の解雇
産前産後休業(第65条)産前6週間と産後8週間の休業する期間及びその後30日間中の解雇
労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由とした解雇
労働基準法第3条に関しては、違反すると懲役や罰金刑に課される可能性がありますので、注意が必要です。
引用元:労働基準法第3条
引用元:解雇制限(労働契約法第19条)労働者が業務上負傷したり、病気になった場合に、その療養のために休業する期間及びその後30日間と、産前産後の女性が第65条の規定によって休業する期間及びその後30日間は解雇できません。ただし、使用者が第81条の規定によって打切補償を支払った場合や、天災事変など やむを得ない事由により事業の継続ができなくなった場合にはこの限りではありません。
2. 天災事変その他やむを得ない事由による解雇については、その事由について所轄の労働基準監督署の認定を受けなければなりません。
ご説明した通り、労働基準法に則った上で解雇を検討しないといけません。
知識がないまま解雇をしてしまうと、不当解雇になる可能性が大きなってしまいます。
解雇予告を正しく行う
労働基準法第20条で、解雇予告が義務付けられています。
※平均賃金計算方法
当該事由が発生した日から3か月間支払った賃金を暦日数で割って算出します
30日分の平均賃金支払いについては、解雇までの期間が30日に満たない場合。
上記の場合、解雇予告手当の支払い義務が発生しますのでご注意を。
期間 | 月 | 歴日数 | 賃金 |
---|---|---|---|
4/16~5/15 | 5月 | 30日 | 31万円 |
5/16~6/15 | 6月 | 31日 | 28万円 |
6/16~7/15 | 7月 | 31日 | 24万円 |
解雇日:7/31 | 残り15日 | 7/31~8/15 | ※解雇の翌日から起算 |
合計 | 92日 | 83万円 |
仮に月給15日締めの7/31解雇日にした場合の解雇予告手当。
数字を当てはめると
解雇予告手当は13万5,315円支払う計算。
30日前予告解雇、30日に満たない解雇の、どちらかが必須になりますので選択する必要がでてきます。
(参照元:平均賃金計算方法)
解雇予告が不要なケースがあります。
- 2か月以内の期間雇用者
- 労働基準監督署の解雇予告除外認定
- 入社から14日以内の使用期間中雇用者
注意が1点あり、入社日から15日経過すると解雇予告か解雇予告手当が義務付けられます。
解雇事由が就業規則に該当している
正社員、従業員が10人以上の場合、労働基準法により就業規則の作成、届け出が義務付けられています。
就業規則に解雇の事由が定められていることが必須。
上記のように、事前に就業規則を定めておけば、問題なく解雇できます。
注意点として、就業規則に記載のない事由で解雇した場合は無効の可能性も。
解雇に関しては、就業規則がカギになりますので、従業員の人数に関わらず、
しっかり届け出をしておくことを、おすすめします。
正当な理由がある解雇
有名な東芝事件では、過酷な労働から、うつ病になったにも関わらず、不当に解雇。
裁判に発展し、東芝におよそ6000万円の支払いを命じた判例があります。
後述しますが、解雇には普通解雇と懲戒解雇があります。
普通解雇に関しては不当解雇との境界線が難しいので、納得できる理由や証拠が必須。
手順を守る
- 業績が著しく悪い
- 会社での遅刻、無断欠勤が多い
- 就業態度が悪い就業態度が悪い
などの理由で、あなたの会社都合でいきなり解雇してしまうと、社員・従業員との意見の相違があり、無効になってしまいます。
しっかり手順にそって不当解雇にならないよう対策をおすすめ。
ポイントは裁判になっても証拠となる書面、記録を残しておくこと。
上記の手順を無視していきなり解雇してしまうと、「不当解雇だ!」と騒がれるリスクが発生してしまいます。
会社都合で正社員を辞めさせる方法【2選】
辞めさせたい正社員、従業員がいるのにどうすれば良いのかわからない。
相談相手がいなくて悩んでいるあなたは必見です。
対応方法についてお伝えいたします。
あなたの会社都合で解雇する場合の2つの方法を紹介。
【方法1】解雇
会社から、雇用している従業員、社員の同意なく解雇すること。
上記の内容は条件が必須となりますので、慎重に検討する必要が出てきますのでご注意を。
【方法2】退職勧奨
退職勧奨とは会社から、雇用している従業員、社員の同意を得て解雇すること。
以上が2つの方法になります。
原則として、退職勧奨を第一に考えた方が良いです。
- 社内の理解を得る
- 解雇予定者に向けた要件整理
- 解雇の意向を本人に伝える
- 退職日やお金の話し合い
- 退職届を提出していただく
双方納得の上で解雇できるので、不当解雇にならない。
退職勧奨が難しい場合は、手順に従い解雇することをおすすめします。
普通解雇と懲戒解雇の選択
解雇には普通解雇、懲戒解雇の2種類があります。
それぞれ詳しくお伝えいたします。
【選択1】普通解雇
主に次のケースで選択します。
- 病気ケガ
- 整理解雇
- 社内トラブル
- 能力・業績不良
など。
就業規則、社員、従業員の問題行動に関係なく、会社経営や能力に問題が生じた場合。
【選択2】懲戒解雇
就業規則違反や社内トラブルなど重い問題のときに行う解雇
主に次のケースで選択します。
- 横領
- 無断欠勤
- 学歴詐称
- 業務命令拒否
- セクハラ・パワハラ
など。
ご注意ください。
上記の内容が就業規則に具体的に記載があり、届け出がある場合にのみ効力を発揮します。
普通解雇と懲戒解雇の違い
大きな違いは、対処の厳しさです。
企業を守るための解雇になりますので、懲戒解雇の方が処分が厳しい。
場合によっては、懲戒解雇が不当解雇に該当したり、給与をさかのぼって支払うリスクがありますのでご注意を。
予告解雇と即日解雇の選択
普通解雇、懲戒解雇を決定したら次は解雇の方法を選択します。
前述していますが、予告解雇と即日解雇の2種類がある。
予告解雇
労働基準法の義務により、30日前に解雇の予告をすること。
即日解雇
30日を待たずに解雇すること。
その場合、解雇予告手当を支払う義務が発生します。
解雇の種類としては、即日解雇をおすすめします。
即日解雇が最も良い
即日解雇が良い理由をもう少し深堀りしてご説明いたします。
【理由1】在籍社員への悪影響
他の社員、従業員に会社の否定的な意見を伝え悪影響を与えるリスク。
予告解雇した社員、従業員を在籍させておくリスクは高いです。
【理由2】情報漏洩リスク
残りの在籍期間に、社内の機密情報を持ち出され、次の職場へ提供、販売するリスクもあります。
あなたの会社の機密情報がライバル会社へ漏れた場合、損害は計り知れません。
【理由3】有給休暇の取得
未消化の有給休暇がある場合、あなたの会社は応じなければいけません。
併せて、社会保険料の負担もありますので、即日解雇の方が望ましいです。
【まとめ】問題社員を解雇する
問題社員を解雇する場合は、しっかりした知識が必須になります。
知識のないまま急に解雇してしまうと、無効になり時間と無駄なお金の出費が発生するリスクがあります。
解雇の種類、方法の中でも懲戒解雇、即日解雇がおすすめ。
社員、従業員が不正をして解雇したい場合は、決定的な証拠が必要になってきます。
証拠集めに関しては、実績豊富な探偵に依頼することをおすすめします。
不当解雇リスクを回避できる弁護士も無償でご紹介可能。
解雇が無効になり、多額の支払いにならないために、ご協力させていただければと思います。
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