法務省が発表している令和4年版犯罪白書によると、令和4年度の横領の認知件数は1万3,028件でした。
発覚しにくい性質の犯罪であることから、実際にはもっと多くの横領が行なわれていることが考えられます。
会社で横領が発覚したら、証拠を揃え、犯人を突き止める必要があります。この記事では、横領している人物の特徴を詳しく解説します。
当事務所の不正調査は全国トップレベルの実績で、ご依頼者の96%が調査結果に満足いただいています。
目次
横領している人物の特徴
横領している人物の特徴を考える上で、参考になるのがアメリカの犯罪学者のドナルド・R・クレッシーが提唱した「不正のトライアングル」です。
この理論では「動機」「機会」「正当化」の3つが相互に作用する時に組織内で不正行為が起こりやすいとしています。
この要素をもとに横領している人物を考えていきます。
横領する「動機」がある人物
横領している本人も、横領は犯罪で、してはいけないことだと認識しています。
大体の場合は横領を働く強い動機が必ず存在します。理由は大体が下記の理由に当てはまります。
- 借金がある人
- 会社へ大きな不満がある
- FXなどハイリスクな投資で負けた
- ギャンブルやキャバクラ、ホストなど何かに依存している人
依存症や借金などで本人自身では解決の糸口が見出すことができず、しょうがなく横領に手を染めたというケースも少なくありません。
また、会社に対し大きな不満を持っているという理由も無視できません。
会社に腹いせを理由に横領するという事例も多数存在します。
横領しやすい「環境」にいる人物
借金などでお金が必要だったとしても、不正ができる環境にいなければ横領はできません。
横領しやすい職種や環境とは下記のような特徴があります。
- 現金や会社の口座を取り扱う部署
- 備品の出荷など1人で行なっている
- 経営陣のお金の管理がいいかげんな会社
- 顧客と商品やお金のやりとりする機会が多い営業などの職種
職種でいうとお金を扱う経理や、顧客とお金のやり取りを直接することのある営業など横領しやすい「環境」はさまざまです。
また、横領が発覚しにくい状況下にあると、起こりやすくなります。
自身の行動を「正当化」する倫理観を欠いている人物
倫理観を欠いている人物が横領しやすい傾向にあり、そのような人物には以下のような共通点があります。
- 他責思考がつよい
- 普段から言い訳が多い
- ルールや法律を守らない
- 機嫌悪いと言動や行動に出る
- 平気で嘘をついたり、人を傷つけたりする
横領が発覚したとしても、自身を「正当化」し、会社や環境が悪いと、責任転嫁するケースもあります。
横領の防止策
横領の防止策は「不正のトライアングル」の3要素を断ち切ることが基本です。
つながりを断ち切れば、横領が発生しにくい組織になります。ここでは、組織で横領が発生しないための対策を解説します。
横領する「動機」を減らす対策
動機は各個人の内面にあるため、完全に無くすことは難しいですが、対策を講じて減らすことは可能です。具体的な対策は下記のとおりです。
- 福利厚生の充実
- メンタルヘルス対策
- 定期的な個別ミーティングの実施
先に述べたとおり、横領している人物は各個人が抱える金銭的な問題以外に会社に対する強い不満を持っています。
福利厚生の充実や個別ミーティングの実施が効果的です。
福利厚生で社員のモチベーションを上げ、会社への不満を減らし、個別ミーティングで社員の状態を把握する取り組みです。
コストや労力は必要としますが、横領の損害額と比較すると費用対効果の高い取り組みといえます。
また、横領をする人物は依存症などメンタルヘルスに疾患を抱えているケースも少なくありません。
メンタルヘルスへの取り組みも、横領の動機減少に効果をもたらすでしょう。
横領する「機会」を減らす対策
横領の機会を減らす取り組みは、企業として最も実施しやすい対策です。具体的な対策は下記のとおりです。
- 定期的な社内調査の実施
- 属人的な業務に承認プロセスの導入
- 定期的なジョブローテーションの実施
横領が起こりやすい職場環境は、社員が単独で長期間その仕事に従事しているケースに多く見られるという特徴があります。
定期的な社内調査やジョブローテーションの実施、属人的な業務に承認プロセスを導入することで、業務内容が透明化でき、横領の発生しにくい環境が整います。
横領の「正当化」を減らす対策
正当化も各個人の内面にあるため完全になくすことは難しいでしょう。しかし、対策を講じれば、効果が期待できます。
具体的な対策は以下のとおりです。
- コンプライアンス教育の徹底
- 不正の罰則規定の見直し
- 内部通報制度の導入
組織として正しい倫理観を社員全員に持たせるために、コンプライアンス教育は有効です。この意識が高まれば、横領は起きにくくなります。
また、内部通報制度を導入すれば、もし横領が発生しても、早期の発覚が可能となるため、損害を抑えられます。
このように、不正の正当化を減らす対策を実施すれば、横領に手を染める社員を減らせるでしょう。
横領が発覚したときの対処法
横領が発覚したら、証拠隠滅を防ぐためにも早期に対応する必要があります。ここでは対処法を説明します。
証拠を揃える
横領が発覚したら証拠を揃える必要があります。
証拠隠滅の可能性や損害拡大の可能性があるため、できる限り早く実施すべきです。
まずは、「誰が、何を、どの程度」横領したかの判明に努めましょう。
もし、自社で証拠を揃えられない場合は探偵への依頼も有効です。
当事務所では、横領などの社内で起こる不正調査を行なっております。
後の刑事告訴や損害賠償請求にも使用できる証拠集めや、今後の対応についてもアドバイスさせていただいております。
詳細は後ほど説明します。
犯人へ聴き通り調査に同席・立ち合い
犯人を特定できる証拠が集まったら、犯人に聴き取り調査を行なう企業が大半だと思います。
聞き取り調査を行なう場合は、絶対に弁解できない証拠を揃えましょう。
確たる証拠がないまま進めると、言い逃れをされたり、名誉毀損で逆に訴えられたりすることがある点に留意しましょう。
当事務所では、犯人へ聴き通り調査に同席・立ち合いを行ないます。
懲戒処分を科す
犯人が横領を認めた場合、大半の企業は懲戒解雇という処分を科します。
有効な証拠がないままに、解雇を行なうと不当解雇で訴えられることもあります。
そのため、本人が横領をしたという確たる証拠がある場合以外は、懲戒解雇はしないほうがいいでしょう。
警察に相談
犯人が判明しない場合や犯行を認めない場合、横領した金品を返還しない場合は、警察に相談しましょう。
被害届が受理されれば、業務上横領事件として捜査が開始されます。
探偵が行なう不正調査
当事務所が行なう不正調査は、企業や個人の財産を不正に持ち出したり、私的に使用したりする行為を突き止めることを目的とした調査です。
横領を明らかにするための「不正調査」は、企業の健全な運営を維持するために重要な手段です。
しかし、不正調査は専門的な知識と経験が必要であり、安易に個人で実施することは困難です。
- 現金の横領(現金収入の着服、経費精算の不正など)
- 商品の横領(商品の持ち出し、売却など)
- 金銭の不正な流用(会社の資金を私的な用途に使うなど)
- 虚偽の経費精算(不実な経費を請求し、不正に金銭を得るなど)
不正調査の方法は
不正調査の手法は、企業の規模や横領の手口などによって異なりますが、一般的には以下の様な手法が用いられます。
- 素行調査
- 身辺調査
- データ調査
- 聞き込み調査
- 尾行・張り込みなどの行動調査
※データ調査:経理資料、領収書、過去の取引データやデータベースを分析し、不正な取引パターンを発見します。
調査結果については、全て報告書にまとめてお渡しします。
調査報告書には、調査対象に関する全ての情報と、不正行為の有無を裏付ける証拠が網羅的に記載されております。
横領などの不正調査の費用
当事務所の前例から、横領などの不正調査の料金相場は132,000~700,000円(税込)程度です。
法人向けの不正調査の料金は、プランや調査内訳に応じて、金額が異なります。
下記調査項目の詳細は下記のリンクへ。正式な金額を知りたい方は、お見積もりをご依頼ください。
- 調査期間(日数、時間数)
- 事前の情報量・信憑性
- 調べたい項目の種類
- 取得する情報の種類
- 必要な証拠の種類
- 不正調査の難易度
- 調査対象者の人数
- 調査員の人数
※調査時にかかる諸経費(調査に必要な飲食費・滞在費・移動交通費等)は別途ご請求させていただきます。
横領が発覚したらすぐに相談を
当事務所は、不正調査に特化した探偵事務所です。
法人向けの不正調査に関する成功率は、全国トップレベルの実績を誇り、調査に満足いただいてるご依頼者は、全体の96%にのぼります。
※自社調べ(アンケート調査:該当期間2017年8月~2024年7月)
自社や個人で解決できない問題に直面したときは、ぜひご連絡ください。
無料相談をご活用ください
横領が発覚したら、早期に対処することが重要です。
早期に対処することで、横領の損害を最小限に抑えることができ、横領犯による証拠隠滅も防げます。
犯人の特定や確たる証拠を押さえたいときは、当探偵事務所に無料相談をご利用ください。
「横領」といった社内の不正は、以下のお問い合わせフォームやフリーダイヤル、メール、LINEにて24時間対応いたします。
また、正式にご契約するまで費用が発生することはありませんのでご安心ください。
執筆/監修者:山内 和也2024年8月19日
探偵調査歴20年。国内外の潜入調査、信用に関する問題、迷惑行為、企業や個人生活での男女間のトラブルなど、多岐にわたる問題を解決してきました。豊富な経験と実績を基に、ウェブサイトの内容監修や執筆も行っています。