いまや新しい出会いの方法として認知されたマッチングアプリ。
しかし、利用者の約15%が「トラブルに遭ったことがある」という調査結果があります。
この記事では、マッチングアプリを通じて集客している飲食店やナイトワークの闇について解説します。
執筆/監修者:山内 和也2024年1月10日
探偵調査歴20年。国内外の潜入調査、信用に関する問題、迷惑行為、企業や個人生活での男女間のトラブルなど、多岐にわたる問題を解決してきました。豊富な経験と実績を基に、ウェブサイトの内容監修や執筆も行っています。
目次
出会い目的ではなく集客目的?
最近、飲食業やキャバクラ、ガールズバーなどの女性キャストが、マッチングアプリを使って集客するトラブルが増えています。
マッチングアプリで出会った女性に付いて行った店で会計時に法外な金額を請求される「ぼったくり」被害が続発しています。
出会った女性が未成年だった場合もあり、「未成年に手を出した」とグルの男に脅される「美人局」のトラブルも起きています。
実際、「未成年だと知らなかった」と証明することは困難であるため、無傷で済まない可能性が高いのです。
この手口は、女性キャストが一人で行なうケースに加え、店側の指示で組織的に行なわれているケースが存在します。
飲食店に限らずデートの場面で、不自然なほどに女性側が店選びをしたときには、こうした被害にある危険性がはらんでいることを肝に銘じるべきです。
民事不介入の範囲で起こる
警察も動かざるを得ないほどのぼったくり被害
マッチングアプリで出会った女性から誘われた店で、男性客が不当な料金を請求される、いわゆる「ぼったくり」被害が新宿・歌舞伎町を中心に2019年頃から増加しています。
法外な金額を請求されるという手口に加え、クレジットカードのデータを抜かれ(スキミング)、不正に使用されたという被害も報告されています。
これまでは「民事不介入」を理由に積極的に捜査してこなかった警察も相談が急増したことで対策に乗り出し、ぼったくり店の多くが摘発されました。
しかし、こうした悪質な店が根絶したわけではなく、現在でもあの手この手で生き延びているのが現状です。
本気になる前に調べておくポイント
知らない店には行かない
マッチングアプリを使用した具体的な手口としては、ぼったくり店と関係があることを隠した女性が店に誘い込み、たくさん注文して酒を飲むなどし高額請求されるのが一般的です。
また、会計時に女性がクレジットカードで支払おうとする素振りを見せるのも特徴のひとつで「この店ではクレジットカードが使用できなかった」などと言い、相手に現金で支払わせようとします。
さらには、まるで自らもぼったくり店の被害者であるかのようにふるまい、実際に一部の金額を支払うことで男性を信用させる女性います。
しかし、店側と女性は共犯関係のため女性の懐が痛むことはありません。これを防ぐためには「知らない店には行かない」ことが最も効果的です。
しかし、行かざるを得ない状況になったとしても、お店の名前を検索に掛けたりするなどし、検索にかからないような店であれば無許可営業の店である可能性が高いと判断し、自衛策とすべきでしょう。
「ミテコ」「アンダー」であり可能性も
「ミテコ」とは18歳未満の女の子のことを指す、ナイトワークの世界で使われている言葉です。「ミテコ」とは「身分証明提出できない子」の略から、そう呼ばれるようになったそうです。
また、JKリフレの業界では「アンダー」と呼びます。当然ながら、18歳未満を水商売や風俗店などで働かせることは法律(風営法・児童買春法など)で禁止されています。
なかでも、若い女性が男性を接客してお酒を提供するガールズバーは、全体的に年齢層が若いこともありミテコが入り込みやすい環境でした。
また、キャストにとって「お酒を出すだけなら」「エッチなことしなくていいなら」と、バイト感覚で入りやすい形態なのも理由です。
ガールズバーは、普通のバイトと比べると高収入な割に友達にも誘いやすいことが、ミテコが増加した背景として挙げられます。
キャバクラでもミテコを勤務させているお店があり、一時期は女性キャストの大半がミテコという、若さを売りにしているお店もあったほどです。
また、ミテコのキャバ嬢のには、指名をもらうために裏オプとして性行為に及ぶ者もいました。
前述したように、このようなお店を利用すること自体で罪に問われることはありませんが、警察に事情聴取され「相手が18歳未満であると知らなかった」ことの証明を求められるなど、思わぬトラブルに見舞われる可能性もあります。
もしトラブルになったら…
新宿から地方へ波及の兆し
警視庁では、2019年にぼったくり条例違反で検挙した店の女性店員がマッチングアプリで集客していたことが判明したことをきっかけに、注意を呼びかけています。
新宿・歌舞伎町界隈でも注意喚起の街頭アナウンスが流れていています。
実際に起きてしまったぼったくりは刑事事件として立件するのが難しく、払ってしまったお金が手元に戻ってくることはないといっていいでしょう。
よって、ぼったくり店に入店しないことが唯一の予防法になります。
警視庁によれば、マッチングアプリ経由のぼったくり被害は新宿・歌舞伎町は中心でしたが、摘発が相次いだことで現在では、都内の新宿以外の繁華街や地方へと波及してきています。
もちろん、マッチングアプリは健全に使えば、男女の出会いを提供してくれる便利なツールであることは否定しません。
しかし、その内実は悪質な業者も紛れ込んでいることも自覚しつつ、用心して使用するに越したことはありません。
マッチングアプリを使った被害の相談先
マッチングアプリを悪用したぼったくり被害をはじめ、詐欺、デート商法、副業・ネットワークビジネスや新興宗教などへの勧誘といった被害に遭った際には、以下のような相談先が用意されています。
警視庁総合相談センター | https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/sodan/madoguchi/sogo.html |
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消費者ホットライン | https://www.kokusen.go.jp/map/index.html |
それでも解決が難しく、訴訟問題に発展しそうなほどのトラブルに巻き込まれたときは、ナイトワーク調査の専門家であるファミリー調査事務所にご相談ください。