プロを目指す若者の情熱や勢いを利用し、後から「デビューにはお金が必要」と告げる卑劣な手口を使って金銭を巻き上げる詐欺のような悪徳会社が存在します。
真っ当なレコード会社や芸能事務所の中に、たくさんの怪しい会社が紛れ込んでいます。
本記事では、オーディション合格後にお金を請求してくる会社や、実際にお金を支払ってしまった場合に、どのような対応をすべきかについて解説します。
目次
オーディション商法とは
オーディション商法の手口
1.合格通知
まず最初に、オーディション参加者に対して、まるで特別に選ばれたかのように扱います。
しかし、実際には全員が合格しており、誰でもいいからお金を騙し取ることが目的です。
デビューの約束や有名なプロデューサーの名前をちらつかせて甘い言葉で誘惑します。
今回5千人の応募があり、あなたはその中から合格しました。実は審査員のプロデューサーがあなたを特別に推したんですよ。これはすごいことなんですよ。
2.合格後に初めて聞かされるお金の話
合格したことの素晴らしさを聞かされ、いよいよ自分もプロとしてデビューできると興奮冷めやらぬ心境になります。
詐欺師はこのタイミングを見計らって、今までそんなお金が必要だと知らされていなかった「さまざまな経費」の支払いを求めます。
デビューするにはレッスンを受けなければいけない。芸能界では必ず必要なことだから。
3.支払いを断れない状況をつくる
詐欺師は、考える余地を与えず、その場での即決を求めてきます。
今日中に決断しないと、合格は無効になりデビューの機会も失う。今辞退したら、将来必ず後悔することになる。お金がないならローンを組める。
4.デビューできない
支払い後、価格に見合わないレッスンが行われます。
しかし、ひどい場合にはレッスンすらなく音信不通になる場合もあります。
こうして、実際にはデビューすることができないまま多額のローンや支払いのみが残ることになります。
怪しいレコード会社や芸能事務所の特徴
- 事前に費用を請求する
- ローンを組ませたり消費者金融で借金させる
- ホームページがない
- 会社情報が不明
- 実績がない
- 移転を繰り返している
払ってしまったお金は返ってくる?
オーディション商法ですでに契約を結んでしまった場合、すでにいくらか支払ってしまった場合、契約をなかったことにできるのでしょうか?
これに関しては、ケースバイケースです。
どのようなやりとりがあったのか、詳細を確認する必要があります。
クーリングオフ制度について
オーディション商法のすべてがクーリングオフの対象になるわけではありません。
しかし、「アポイントメントセールス」や「キャッチセールス」など特定商取引法の訪問販売によって契約をした場合には、法定書面を受け取った日から8日以内であればクーリングオフをすることができます。
あなたの抱えているケースが、クーリングオフの対象となるかどうか法律の専門家による判断が必要な場合には、お気軽にお問い合わせください。
消費者ホットラインへ相談
怪しいオーディション会社に対して、自分一人でやりとりすることが不安な場合には、消費者ホットラインに相談してみましょう。
消費者ホットライン(消費者相談窓口)とは、消費者が商品やサービスに関する問題や疑問を相談するための電話相談窓口のことです。
これは政府機関や自治体、消費者保護団体などが運営しており、以下のような場合に利用されます。
- 商品やサービスの不具合:購入した商品が不良品だったり、期待通りの性能を発揮しなかった場合。
- 契約に関するトラブル:契約内容が不明瞭だったり、不当な契約を結ばされたと感じた場合。
- 詐欺や悪徳商法:詐欺被害に遭ったり、悪徳商法に巻き込まれたと感じた場合。
- 返品や返金の問題:返品や返金に関するトラブルが生じた場合。
- その他の消費者問題:その他、消費者としての権利が侵害されたと感じた場合。
<参考:オーディション商法でレッスン契約を勧誘していた訪問販売業者に業務停止命令、当該事業者の従業員に業務禁止命令>
警察へ相談
詐欺や性被害が疑われる場合は、速やかに警察に相談しましょう。
被害の状況によっては、刑事事件として責任を問うことができる場合があります。
弁護士へ相談
法律の専門家に相談することで、法的な対応を検討しましょう。
法的な手続きによって、民事事件として責任を問うことができる場合があります。
その際、被害の実態や不正に関する証拠が必要になります。
探偵へ相談
トラブルが複雑化している場合、探偵に相談してみましょう。
探偵は、情報収集することでトラブル原因を特定したり、証拠収集することができます。
泣き寝入りで終わりたくない場合には、何か行動を起こすことで気持ちの決着をつけることは重要です。
人の夢を食い物にした悪意のある人間は決して野放しにしてはいけないのです。
探偵が提供できる調査サービス
どのような調査ができる?
- 事実確認調査
- 証拠収集
- 関係者の調査
- 法的措置の支援
事実確認調査
詐欺業者の実態を把握するための調査を行います。
会社の所在地、代表者、運営状況などの情報を収集し、信頼性を確認します。
証拠収集
オーディション商法に関する詐欺の証拠を収集します。
契約書、メールのやり取り、録音データなどを精査し、詐欺の事実を裏付ける資料を揃えます。
関係者の調査
詐欺業者に関連する人物や組織の調査を行います。
詐欺の背後にいる人物や関連会社の情報を特定し、詐欺の全貌を明らかにします。
法的措置の支援
弁護士と連携し、法的措置を取るための準備をサポートします。
収集した証拠をもとに、法的手続きに必要な資料を提供します。
探偵にできないこと
探偵は直接的な金銭の回収を行うことはできません。
金銭の回収は法的手続きが必要であり、弁護士や裁判所を通じて行う必要があります。
相談窓口のご案内
オーディション商法に関するお困りごとは、専門の探偵事務所までお気軽にご相談ください。
迅速かつ的確な対応で、被害の解決に向けて全力でサポートいたします。
執筆者:波多野 里奈2024年8月3日
教育学をはじめ臨床心理学、行動心理学を学び、人が抱える悩みや問題に寄り添いサポートすることを得意とする。結婚や離婚に関する問題、素行調査に関する相談解決実績多数。英語の語学力を生かし海外探偵調査の相談窓口を担当。