探偵コラム
ニュース概要
(引用:週刊文春 2024年6月27日号 《なかやまきんに君が複数回参加》妖怪セミナーの被害者が連続告発「家族が崩壊した」 きんに君は取材に「戸惑いを隠せません」 )「妖怪を追い払えば幸せが訪れる」などと参加者に説くスピリチュアル系のセミナー「本源セミナー」。
お笑い芸人のなかやまきんに君(45)が複数回参加していることでも知られる。
そんな本源セミナーの“信者”の家族から、被害を訴える声が続々と上がっていることが「 週刊文春 」の取材で分かった。
「創始者の女性は手かざし治療などを行う新興の仏教系宗教法人の元信者。彼女が代表の一般社団法人がセミナーを主宰しています」
セミナーの内容は過激だ。身の回りのもの、例えばサントリー製品やポケモンなどが妖怪とされ、捨てるよう指導される。
「セミナーを信じない人は『妖怪人間』で、縁を切るよう促されます」
洗脳者が使う3つのステップとは
- 信頼を得る
- 不安を煽る
- 情報空間を乗っ取る
信頼を得る第一ステップでは、人の心理を操るために「プラシーボ効果」を用いた手法で参加者に「あたかも本当にそうであるかのように思わせる」体験をさせます。
プラシーボ効果の例をあげます。
頭痛薬のプラシーボ効果
ある人がひどい頭痛に悩まされているとします。
友人が「この新しい頭痛薬はすごく効果があるよ」と勧めると、その人はその薬が効くと信じて薬を服用します。
実際には、その薬はただの砂糖で作られた錠剤(プラシーボ)ですが、信じて服用したことで頭痛が和らいだと感じることがあります。
これは、薬に対する信頼が痛みの感じ方に影響を与えるプラシーボ効果の一例です。
鍼治療のプラシーボ効果
腰痛を抱える患者が鍼治療を受けに行きます。
治療者が「この鍼治療は非常に効果的で、腰痛を劇的に改善します」と言うと、患者はその言葉を信じて治療を受けます。
実際には、鍼治療はただの偽の鍼を使ったものですが、患者は腰痛が軽減したと感じることがあります。
これは、治療への期待感が痛みの感じ方に影響を与えるプラシーボ効果です。
偽の手術によるプラシーボ効果
膝の痛みを抱える患者が手術を受けます。
一部の患者は実際の手術を受け、他の患者は手術のふりをしただけの偽の手術を受けます。
偽の手術を受けた患者の中には、手術が成功したと感じて膝の痛みが軽減したと報告する人がいます。
これは、手術が効果的であるという信念が実際の症状改善に繋がるプラシーボ効果の強力な例です。
魔法のように痛みがとれても、それは超能力でも何でもありません。
今回の妖怪セミナーと呼ばれる「本源セミナー 」の創始者は、こういったプラシーボ効果を意図的に「洗脳」のステップで使っていると思われます。
探偵はどう読む
プラシーボ効果を悪用した「超能力」は、実際には科学的な証明ができないものであり、言った者勝ちの現象です。
悪意のある者は、無害な物質や行為を「特別な能力」として信じ込ませることで、ターゲットに実際の効果を感じさせます。
これらの手法は、科学的な根拠がないため検証が困難であり、信じた人々が実際に効果を感じてしまうことで成功します。
金銭的な被害だけではない洗脳による被害
洗脳は金銭的な被害にとどまらず、心理的、社会的、身体的な被害も引き起こします。
心理的被害としては、自尊心の低下や恐怖・不安の増加があります。
社会的には、家族や友人との関係が断たれることで孤立し、社会的信用を失うことがあります。
身体的には、継続的なストレスが原因で健康問題が発生することが多いです。
これらの被害は、被洗脳者の生活全般に深刻な影響を与えます。
洗脳者からの引きはがしを行う探偵の役割
探偵は、洗脳の実態を暴き、被害者を洗脳者から引き離す支援を行います。
専門的な調査により、洗脳の手口や証拠を明らかにし、被害者の安全を確保します。
また、家族や関係者と協力して、洗脳からの脱出をサポートします。
探偵の調査力を活用することで、被害者の心理的・社会的回復を促進し、平穏な生活を取り戻す手助けが可能です。
執筆/監修者:山内 和也2024年6月20日
探偵調査歴20年。国内外の潜入調査、信用に関する問題、迷惑行為、企業や個人生活での男女間のトラブルなど、多岐にわたる問題を解決してきました。豊富な経験と実績を基に、ウェブサイトの内容監修や執筆も行っています。