2025年2月15日、タイの警察によって隣国ミャンマーにある国際的な詐欺組織の拠点にて16歳の日本人の少年が保護されたことが明らかになりました。
さらに3人の日本人が同じ組織に関連して捜索要請が出されているということで、もっと多くの日本人が詐欺組織に関係しているのではないかといわれています。
この16歳の日本人少年は日本国内でも行方がわからなくなったということで捜索願が出されており、失踪した人が海外に渡って犯罪行為に加担させられている事例の一つとなりました。
このように、失踪人が海外に渡っている場合もあるため、失踪人探しを行なう場合には海外での捜索も視野に入れる必要があります。
今回、この記事では失踪人が海外に渡る理由や目的を解説し、海外で失踪人探しを行なうための有効な手段を紹介します。
目次
ニュース概要

タイの警察幹部は15日、隣国ミャンマー東部ミャワディで、国際的なオンライン詐欺組織の拠点で働かされていたとみられる日本人の16歳の少年を保護したと明らかにした。さらに3人の日本人についても、この組織に絡み捜索要請を受けているという。現地では約7千人の外国人が詐欺などに加担させられていたとみられ、多くの日本人が巻き込まれている可能性がある。
警察幹部によると、少年は昨年12月ごろに行方が分からなくなり、日本国内の家族から在タイ日本大使館を通じてタイ側に捜索要請があった。今月に入って少年から家族に連絡が入り、ミャワディでの居場所が判明。数日前に救出に成功し、15日に日本に帰国させたという。
失踪人が海外に渡る理由

失踪人の行き先は日本国内だけにとどまらず、海外にまで及ぶ可能性が存在します。
海外に渡れば探し出される確率は確かに減りますが、海外暮らしに慣れていなければ本人にとっても異国での暮らしは大きなストレスになるでしょう。
それでも海外に失踪する動機には、どのようなものがあるのでしょうか。
これまでの人間関係をすべて捨てる
海外に失踪することで、日本でのつながりの一切を解消したいという狙いが考えられます。
このような動機を持つ要因としては、下記が挙げられるでしょう。
- 家族関係の不和
- 仕事における失敗
- 地域のコミュニティ内にて孤立
人間関係は精神面に大きな影響を与える事柄であり、人間関係に問題がなければストレス要素は少なくなり、逆に問題があると健全な生活が送れなくなるほどの影響を及ぼします。
そういったストレスが積み重なった結果、わずらわしい人間関係から解放されたいという思いが募って海外への失踪を決断させる要因となり得ます。
自分のことを誰も知らない場所に行って、ひっそりと生きていきたいという思いがそうさせるのでしょう。
多額の借金を抱えた
返済し切れないほどに借金が膨らんでしまった場合に、しつこい取り立てから逃れたかったり、あわよくば踏み倒したいと考えて海外に失踪するケースもあります。
借金の取り立てはさすがに海外まで来ることはないと思い、ほとぼりが冷めるまで海外に逃げるのでしょう。
また、海外で事業を行なっている知人を頼って海外に渡り、海外で仕事をしてお金を稼ぐ目的も考えられます。
このような理由で失踪した人物を探す際には、まずは抱える借金トラブルがどれほどのものであるかを把握する必要があります。
犯罪行為を行なった
犯罪を犯してしまったものの、服役を避けるために海外に渡って逃げる場合もあります。
特に時効のある犯罪であれば数年ほどで逮捕されることはなくなるため、それまで海外に逃げるという魂胆でしょう。
しかし、時効を迎えるまでは日本には戻ってこれないため、もし日本に帰りたい事情があっても逮捕されるリスクを考えると簡単には帰国できなくなってしまいます。
また、時効のない犯罪であれば帰国しても重い刑罰を受けることが待っているため、失踪しても海外でそのまま暮らし続ける覚悟が必要となるでしょう。
もし国際指名手配されるような状態になれば、海外暮らしも安泰とはいえなくなります。
他にも、今回取り上げたニュースのように日本国内で海外の犯罪組織と接触し、海外に渡ってしまうケースもあるでしょう。
精神的な不調を抱えている
失踪人の精神面が不調となっている場合は突発的な行動を引き起こすことがあり、その一つとして海外への渡航を行なう可能性があります。
特に精神面の不調が見られる方の失踪は突然起こるものなので行き先の割り出しも難しく、捜索が遅くなればどんどん行方の特定が難しくなるでしょう。
自殺を考えている
誰にも見つかることなく自殺したいと考えている人が、行き先を海外に決めて命を断とうとする可能性も考えられます。
しかし、このような方は場所はどこでもいいわけではなく、昔行った思い出があったりと何かしらゆかりのある場所を選んで向かう傾向があるでしょう。
そのため、失踪人探しにおいて行き先の手がかりとなる場所を把握しておくことは何よりも重要な手がかりとなります。
海外に向かった失踪人を探す方法

探し出したい失踪人が海外に向かった場合、探し出すのは難しいと諦めてしまいたくなるかもしれません。
しかし、例え海外に失踪した人であっても探し出す方法は存在します。
ここからは、海外に渡った失踪人を探す方法を解説していきます。
外務省に所在調査の申請書を提出する
海外に渡った人を探し出す場合、まずは外務省に所在調査を申し込むことが重要です。
国単位で把握しているネットワークを駆使することで、失踪人がどこに渡航したのか特定することができます。
この所在調査の申請書を提出できるのは、原則として配偶者もしくは三親等内の親族(三親等内の血族及び姻族)となっており、生存の見込みがある人だけが調査の対象です。
また、もし失踪人の所在が見つかったとしても、本人が依頼者に連絡先を伝達することを拒否すれば、外務省から連絡先を教えてもらうことはできません。
海外の日本大使館に連絡する
失踪人の行き先の目星がついている場合、現地の日本大使館に連絡してみることも一つの手です。
しかし、大使館が直接調査を行なうことはなく、あくまで捜索方法や現地警察への捜索依頼について助言してくれるだけになります。
そのため、現地警察に連絡できたとしても、実際に調査を行なうのは現地警察の匙加減次第です。
また、日本大使館のない国もあるため、このような国の現地警察に捜索依頼する場合はすべて自らの手で行なう必要があります。
SNSを活用する
今ではSNSを活用した失踪人探しも普及しており、海外のユーザーもいるSNSであれば多様な言語を駆使して失踪人探しの書き込みを行なったり拡散も期待できます。
探したい失踪人の写真を掲載して身体的特徴がわかるようにしたり、さまざまな情報を書き出すことで見つかる可能性を上げられます。
しかし、ただ翻訳アプリで作成しただけの文章では意図が伝わり切らない場合もあるため、ある程度言語の知識がある人に文章作成を手伝ってもらった方がいいでしょう。
海外調査を行なう探偵に調査を依頼する
海外での調査にも対応している探偵であれば、実際に現地に赴いて実地調査を行なってくれます。
外務省や現地警察の調査は大きなネットワークを利用できますが、本腰を入れて調査してくれるかは時と場合によるため不確定要素が多いです。
探偵であれば、依頼者の要望を果たすために全力を尽くしてくれて、依頼者の納得がいくまで調査を依頼することもできます。
また、探偵も独自のネットワークを駆使して調査を行なうため、個人で行なうよりも遥かに効率良く、かつ徹底的な調査が可能です。
もし失踪した人が海外に渡った可能性が考えられる場合、海外調査ができる探偵であれば国内・海外に渡って広範囲の捜索を行なってくれます。
探偵はどう読む
近年、ミャンマーの国境地帯では、中国系や日本人を含む犯罪組織の活動が確認され、日本人が巻き込まれるケースが増加しています。
当事務所であれば、タイからミャンマーへの入出国履歴の確認や、現在の滞在国の特定など、海外での人探しにおいて重要な役割を果たします。
これらの調査は、各国の法制度や文化に精通した専門家でなければ難しい場合があります。
大切な方が国際的な犯罪に巻き込まれた可能性がある場合、まずは当事務所にご相談ください。

執筆/監修者:山内 和也2025年3月3日
探偵調査歴20年。国内外の潜入調査、信用に関する問題、迷惑行為、企業や個人生活での男女間のトラブルなど、多岐にわたる問題を解決してきました。豊富な経験と実績を基に、ウェブサイトの内容監修や執筆も行っています。
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