文部科学省が東京大学などでの共同研究を目的に、インドの大学院生を対象に最大300万円の支援策を発表しました。
国際化の波に伴い、外国人労働者だけでなく外国人留学生の受け入れも近年更に加速していますが、中にはただ単に留学目的で日本に訪れるわけではない学生もいます。
こうした留学支援策が、学生として研究機関に忍び込んで重要な機密事項や研究情報を盗み出したりするスパイ活動の隠れ蓑になる可能性もあるでしょう。
逆に、日本という慣れない異国の地に訪れた学生を狙った怪しいビジネス詐欺の被害が発生することもあります。
このような外国人留学生に関係するトラブルにどんなものがあるか、またトラブル対策をどのように行なえばいいかを探偵の目線から解説します。
目次
ニュース概要
文科省が東京大学などでの共同研究を目的に、インドからの大学院生へ最大300万円の支援策を打ち出した。アメリカなどに比べ、日本へのインド人留学生受入数は少ないのが現状で、研究力強化を図る狙いだ。しかし、日本人在住のインド人からは、300万円の支援では足りないといった声も聞かれた。
引用元:世界的な“人材争奪戦”勝てる?“東大大学院のインド人留学生”に最大300万円支援 文科省大盤振る舞いに「足りない」「助かる」の声 就労に「言葉の壁」も|FNNプライムオンライン
外国人留学生に関連するリスク一覧
外国人留学生が関係するトラブルのリスクとしては、留学生自体が何らかのトラブル目的で日本に訪れている場合と、留学生を狙った犯罪被害の2通りがあります。
それぞれ考えられるリスクとしてはどのようなものがあるか、ご紹介していきます。
研究機関からの技術・情報流出(スパイ行為)
外国人留学生は大学・大学院などに在学して研究を進めるために留学し、留学先の大学のレベルが高ければ高いほど研究のテーマも重要なものになっていきます。
東京大学や京都大学といった国立の名門大学ともなれば、日本の技術革新を支える研究の要衝との意味合いが強まっていくでしょう。
そこに外国人留学生が立ち入ることで、先進技術の一端に触れることになります。
そうして知り得た情報を、母国の研究機関に横流しする可能性も考えられます。
そもそも、日本の大学への留学目的もスパイ行為を行なうためという留学生がいる可能性もあるでしょう。
もしそうなってしまえば、大学の研究のみならず日本という国にとっても大きなマイナスです。
留学生と犯罪組織の接触
そもそも留学生の中には、勉強や研究目的ではなくただ日本に来るために留学をする人も一定数存在します。
その場合、日本に来た目的には別のものがあるでしょう。
考えられるのは、先に日本で根を張って暮らしている外国人グループとの合流です。
このような外国人グループがもし犯罪行為を行なっているのであれば、留学生もグループに加担して犯罪行為を実施する可能性も考えられます。
治安の悪化を避けるためにも、外国人犯罪グループの勢力拡大には注意を向ける必要があります。
留学資金返済の滞りが犯罪の原因になることも
特に東南アジアなど物価の低い国から日本に留学する場合、母国の平均年収の数倍をかけて日本に留学する例もあります。
大抵このような場合は留学中にアルバイトをすることで費用を工面しようと考えますが、留学生が取得する「留学ビザ」では週28時間の労働しか認められていないため、留学資金の返済が滞る可能性が高まります。
そのように経済状況が悪化した留学生が、お金を稼ぐために外国人犯罪グループと接触して犯罪行為に走ることも十分に考えられます。
留学生狙いの犯罪被害
中には、外国人留学生をターゲットにした詐欺被害も発生する可能性もあります。
代表的なのが、政府や大使館からの連絡と偽って金銭を要求したり、個人情報を盗み出す詐欺電話です。
このような電話は留学生の母国語を使って行なわれるため、留学生本人も信じ込んでしまうことがあるでしょう。
特に外国人留学生の多い大学では、こうした詐欺被害への注意喚起を徹底しています。
また、SNS経由で高収入を謳ったアルバイト求人で集めた人を犯罪に加担させる「闇バイト」に、外国人留学生が巻き込まれてしまう可能性も十分にあります。
外国人留学生関係のトラブルを避ける対策
外国人留学生を受け入れる側としても、できるならトラブルの火種は未然に回避したいものです。
では、トラブル回避の為にはどのような対策が有効かを解説していきます。
外国人留学生の身元・信用調査
もし留学に来る学生の情報がある程度わかっている状態なら、その学生の身元を調査して人間関係を調べてスパイが疑われる関わりや犯罪組織などとの関係がないか調べることが可能です。
特に探偵に調査を依頼すれば、調査員が現地まで向かって実地調査を実施するため、より確度の高い情報に迫ることができます。
もし留学生の受け入れ前に問題があることがわかれば、受け入れのキャンセルなど考えられるリスクを未然に回避することが可能です。
外国人留学生の身辺調査
もし外国人留学生に不穏な動きがあった場合、その行動をチェックすることでどのような人物と接触してどんな関わりを持っているのか調べて、リスクの回避が可能です。
探偵は尾行・聞き込み・張り込みを行なうことが法的に認められているため、対象となる外国人留学生の行動を追いかけて実態を把握することができます。
もし犯罪行為への加担や不穏な人間関係の実態が明らかになれば、調査結果を元にして留学生に真相を迫ることもできるでしょう。
探偵として考えられるリスクと今後必要とされる調査
■留学生の身元確認と信用調査
多額の支援を行うにあたり、受け入れる学生の身元や経歴の正確性を確認することが重要です。虚偽の情報や不正な手段で支援を受けようとする者を防ぐため、探偵による詳細なバックグラウンドチェックが必要とされる場合があります。
■不正行為や犯罪への関与の防止
留学生が日本滞在中に犯罪に巻き込まれたり、不正行為に関与するリスクを最小限に抑えるため、事前のリスク評価やモニタリングが求められます。探偵は、学生の交友関係や活動状況を調査し、問題の早期発見と対応を支援できます。
■留学生の安全確保
異国での生活に不慣れな留学生が、詐欺や犯罪の被害者となる可能性も考えられます。探偵は、留学生の安全を脅かす要因を特定し、適切なアドバイスや防犯対策を提供することで、被害の予防に貢献できます。
このように、探偵は留学生受け入れに伴うリスク管理や安全確保の面で重要な役割を果たすことが期待されます。
今後、国際的な人材交流が活発化する中で、探偵の専門的な調査能力が一層必要とされるでしょう。

執筆/監修者:山内 和也2025年3月4日
探偵調査歴20年。国内外の潜入調査、信用に関する問題、迷惑行為、企業や個人生活での男女間のトラブルなど、多岐にわたる問題を解決してきました。豊富な経験と実績を基に、ウェブサイトの内容監修や執筆も行っています。
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